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ブックマーク / yusukenakamura.hatenablog.com (39)

  • これでいいのか日本の医療! 最終回 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療2022」

    2014年の6月21日にこのブログを書き始めて7年間が経過した。7年間に950回投稿し、560万回を超えるアクセスをいただいた。平均年間80万回以上のアクセスをしていただき、私の駄文に目を通していただいたことには感謝の一言しかない。 1年数ヶ月、コロナ感染症対策に苦言を呈してきたが、最近の動きは、日は破滅に向かって一直線の感がある。政治家から、言葉の重みと責任が消え、まるで漂流国家のようだ。「勝負の3週間」「短期・集中で」という言葉がシャボン玉のように軽く、消滅していく。何を質問されても、「責任を取る」姿勢が皆無に映る。質問とかみ合わない回答を繰り返して、日という国のいい加減さをさらけ出しても支持率が30%を切らないのは不思議だ。この理由は、野党に対する信頼感の低さの裏返しだ。総選挙になっても期待する候補がいない人が多くなるかもしれない。 国に明確な戦略・ビジョンがなく、目の前の課題に

    これでいいのか日本の医療! 最終回 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療2022」
  • 受けて立とうバイオバンクジャパンへの批判;出てこい東北大学 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    木下賢吾なる人物が、バイオバンクジャパン批判の文章を書いて配布している。 東京大学医科学研究所にバイオバンクジャパンのデータアクセスを批判する文章が私に手元に届いた。2020年の基準で、2002年に計画したバイオバンクのデータアクセス権を批判するなど、アホ以外の何物でもない。2002年、バイオバンクジャパン計画を作成したのは私だ。当時、ゲノムそのものに対する理解も今と比べればはるかに低く、「ゲノム=究極のプライバシー」といった感じで、ゲノム研究のための大型研究を進めようとする私には、暴風雨が吹き付けていた。絶対にプライバシーを守るのだという刃がのど元に突き付けられていた。 データの第3者利用とでもいえば、プロジェクトそのものが立ち行かないくらいだった。そこで、データを保存するコンピューターはスタンドアロンと呼ばれる外部との接続をできない形で始めた。第3者に利用できるようにするなどと言えば、

    受けて立とうバイオバンクジャパンへの批判;出てこい東北大学 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
    tetrahymena
    tetrahymena 2020/11/06
    中村せんせー、激おこプンプン丸の巻
  • 泥沼・後手のクルーズ船;危機管理と診療情報を考える - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    クルーズ船内の新型コロナウイルス感染症者は、一気に倍近くの135人となった。合計439名の検査を実施したようなので、なんと感染者の割合は被験者の30%という驚くべき高値となる。飛沫感染で広がるにしては感染者数の増加は異常だ。北京で操業を開始した企業では、空気感染を懸念して、暖房をしていないようだ。寒い北京の環境では暖房なしで働くのは厳しい。 テレビのコメンテーターが「寒くて風邪を引くのでは?」と言っていたが、「危機管理は最悪のケースを想定して行う」という基的原理をわかっていないようだ。可哀そうという気持ちで、このような感染症の抑え込みはできない。日では空気感染には否定的だが、急速に感染が広がっている実情を考えると、これも想定した対策が必要ではないのだろうか?幸いにも致死率は、当初報道されていた数字より一桁小さいようだが、船内における感染の急拡大を説明する科学的な理由の解明が必要だ。 オ

    泥沼・後手のクルーズ船;危機管理と診療情報を考える - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
  • どうする日本のAI医療! - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

  • NHKニュースに見るメディアの劣化 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

  • 希望が奇跡に変わる日を信じて - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

  • 人工知能を賢くするにはデータというエサが必要だ?! - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

  • 日本に戻って1か月;これでいいのか、日本のがん医療 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    6月13日に日に戻って、1か月が過ぎた。目が回るような忙しさに加え、この蒸し暑さは大変だ。1か月間、いろいろな方にお会いしたが、期待と厳しい目が背後から突き刺さる。 昨日は、「がんプレシジョン医療プロジェクト」の発足会を開催した(開催していただいたというのが正しいが)。予想を上回る多くの方に参集していただけた。この会を開催するために尽力いただいた方々に感謝するしかない。来賓の方々のコメントを聞いていた時には、胸の奥底から熱い思いが込み上げてきて、涙が出そうになった。6年前に日を離れた時の複雑な思いと、昨日の応援メッセージが交錯した。私がどうして日に戻ろうと思ったのかと頻回に聞かれるが、シカゴにいても送られてきた、患者さんからの多くのメール、それがすべてだ。無神経な医師からの言葉、希望のない日々の苦しさ、わが子の死を待てと言われた親の悶絶するような悲しみ、その暗闇に少しでも灯りを提供し

    日本に戻って1か月;これでいいのか、日本のがん医療 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
  • 頭に来てもアホとは戦うな! - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    今週の月曜日から、がん研究会・がんプレシジョン医療研究センター所長として勤務している。内閣府のプロジェクトもあり、自宅・内閣府・がん研究会のトライアングルの通勤はかなり体に堪える。シカゴと比較すると気温は少ししか変わらないが、この纏わりつくような湿気はかなり厳しいものがある。移動だけで、日に3時間も使い果たし、想像していたより過酷な日々だ。 しかし、懐かしい顔に出会うたびに、「頑張ってください」と言われ、自分の気持ちを奮い立たせるしかない。でも、少なからずの人に、「プレシジョン医療って、オーダーメイド医療とどこが違うのですか?」と聞かれると、答えに窮する。「同じような意味だけど、オバマ大統領には勝てないのです」としか、返事ができず、気持ちは凹んでくる。一市民の言葉など、米国大統領の前では無力だ。 20年以上前に「オーダーメイド医療」と命名した際に、築地から「オーダーメイドは英語ではないから

    頭に来てもアホとは戦うな! - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
  • シカゴから戻って1週間:標準療法と個別化医療 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    目が回るほど忙しい日が続いている。「シカゴ便り」でなくなることを契機にブログをどうしたものかと悩んでいたが、昨夜、事をした友人から、「中村先生は、人が言いたいことを、よくあれだけズケズケと言えますね。他の人は怖くて言いたいことが言えないのですよ。でも、ブログを読んでスッキリしている人がたくさんいると思いますよ」と言われた。 そして、昨日の朝に、以前から相談を受けていた19歳のがん患者さんをお見舞いに行って(様子を見に行って)来た。直後に、お父様から連絡をいただき、感謝の言葉を頂いた。電話の向こうで泣いている様子が伝わり、私ももらい泣きしてしまった。少しでも多くの患者さんに希望を提供することが重要だと思い、これからもできる範囲で情報を発信していくことに決めた。もちろん、最終的なゴールは希望を提供するだけではない、希望を現実にすることが私の人生の目標だ。 日に戻って1週間、もっとも辟易とし

    シカゴから戻って1週間:標準療法と個別化医療 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
  • がんセンターや大病院だけで国民の健康を守っているわけでは無い - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    時差と闘いながら、到着翌日の今日、3件の会議をこなした。シカゴで飛行機に搭乗する直前にブログを更新したが、そのブログを読んだ、私のかつての部下から下記のメールが届いた。人の承諾を得て、それを掲載することにした。(自分がどの病院に属しているのかわかっても構わないという返事をいただいたが、迷惑をかけると申し訳ないので個人を特定できるような情報は削除した。) ――――――――――――――――――――――――――――――――― (1)現在小生、地方の基幹病院で地域医療に誠に微力ながら邁進しているところでございますが、当該2次医療圏は、医師数が他地域に比べ最も少なく皆疲弊している状況であります。そのなかで昨日の毎日新聞および先生のブログを拝見し、「人工知能によって、医師が患者さんと面と向かって話ができる時間を確保すること」「人工知能が病気のことや治療方針・治療法・治療薬をわかりやすく双方向で説明し

    がんセンターや大病院だけで国民の健康を守っているわけでは無い - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
  • 公募研究、事前に「内定」応募仕込む?! - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    標記の記事が、7日の毎日新聞に掲載された。内容は「内閣府が今年度から5カ年で行う「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」第2期事業で、研究開発課題の責任者を公募したにもかかわらず、実際は事前に候補者を決め、各課題の詳しい内容を伝えていた。12課題のうち10課題で候補者がそのまま選ばれ、うち9課題は候補者1人しか応募がなかった。」とあった。 私が、名指しで、事前候補者と異なっていた一人であると記事に掲載されていた。まさに、「和をもって尊しとなさず」を地で行く行為になってしまっている。しかし、応募すれば、公正に評価されるという証にもなっている。採用後に知った「上記にある課題の詳しい内容」と「私がヒアリングの際に提案した内容」は、もちろん重複はあるが、異なっている部分がある。私の提案は、「人工知能によって、医師が患者さんと面と向かって話ができる時間を確保すること」や「人工知能が、病気のこ

    公募研究、事前に「内定」応募仕込む?! - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
  • 蟻塚でもがく日本 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

  • 京大研究不正-3;抜本的な教育・研究体制の見直しが必要だ - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    京大研究不正問題で、山中先生を支援する声は大きい。是非、踏みとどまって、患者さんの期待に応えて欲しい。 しかし、この種の問題が起きるたびに、研究者や大学の管理体制が問われ、管理の厳格化が求められるが、私は、これは間違いだと思う。大学の教官は、委員会業務や書類作成などの雑務(あえて、雑務と言いたい)で、すでに多大な時間を取られ、来の教育・研究、そして診療(病院・医学部の場合)に身を削る形で取り組んでいる。 2時間で一つの製品を作ることのできる職人がいるとする。1日8時間で4個、1週間で20個、1か月で80+アルファ個、これは小学生でもできる計算だ。超過勤務を減らす方向であるにもかかわらず、種々の業務が増えて、1ヶ月に150個、200個の製品を作ることを強いているのが大学の現状だ。これに定員削減が重なり、さらに悪化する。仕事量が増え、人が減れば、当然、それぞれの質は低下する。しかし、みんな必

    京大研究不正-3;抜本的な教育・研究体制の見直しが必要だ - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
  • 京大論文不正-2 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    山中伸弥先生の記者会見の様子をビデオで見た。「不正を防げず、無念」とのコメントだったが、私は不正など、組織がとてつもない努力をしても、防げるはずがないと思っている。性善説に経てば、努力によって防げるはずだが、世の中から犯罪がなくならないのと同様に、絶対にこのような不正はなくならないように思う。偉そうに言っているメディアでも不祥事は起こっているではないか! そして、どう考えても、この件の一義的な責任は、研究者とその直属の上司にある。山中先生が所長を辞職しなければならないような理由はどこにもない。この立場にとどまって、日で、そして、世界で、山中先生に期待している患者さんや家族のために尽くすべきだと思う。 それにしても、「論文の見栄えをよくしたかった」という理由が述べられていたが、幼稚すぎて唖然とするしかない。とても、30歳を過ぎた大人の発言ではない。見やすい図や表を作ることと、数字や図を改竄

    京大論文不正-2 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
  • 京大論文不正;これでいいのか、日本メディア - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    ネットニュースで「京大iPS研で論文不正 山中伸弥所長が謝罪」という標題の記事を目にして、急いで記事を読み、論文を調べた。 産経新聞には「所長を辞職するか報道陣に聞かれ、『その可能性も含め、どういう形が一番良いのか、しっかり検討したい』と話した」とあった。山中先生は、この問題となった論文の著者ではない。研究所長として管理責任はあるとしても、大学の組織上、研究所長がそれぞれの研究室が発表する論文の内容に立ち入ることは、普通はない。論文に関しては、筆頭著者を含め、全著者が責任を取るべきである。 大きな研究所のトップは、自分自身の研究室の研究内容について全責任を負うのは当然だが、他者の研究室の内容・運営に口出しする事はない。研究の内容・指導・予算管理は研究室単位で独立して管理される。常識的に考えても、研究所長が多くの研究室の細かい生のデータまですべて目を通すことなど不可能だ。山中先生は日の宝で

    京大論文不正;これでいいのか、日本メディア - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
  • 北朝鮮6回目の核実験;面子を潰された米中首脳 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

  • 座右の銘が「面従腹背」;これで教育行政は大丈夫か! - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    昨日の国会中継を少しだけ見た。メモがあるのかどうか、チマチマとした質問が続いていたので、馬鹿馬鹿しくなってシャットダウンした。役所は重要な会議のメモを残すことなど常識だ。かつて在職していた医療イノベーション推進室での会議でさえ、メモが作成され、各省庁に配布されていた。短期間とはいえ、政権を担っていたのだから、メモが作成されていたのかどうかは知っているはずだ。ましてや、審議官に再三再四同じような質問をした議員は、内閣官房にいたではないのか?役所がどうなっているのか、自分の経験に基づけば、もっと内容のある質問ができたはずだ。 あの質疑を聞いていると、追及をしているポーズだけの茶番劇に思えてならない。民主主義と言えば響きは美しいが、美しい声を揃えても、岩盤規制・利権擁護の壁を壊すのは絶対無理だと思う。規制改革は民主党政権の旗印ではなかったのか、与党時と野党になった今とを比べて、180度言っている

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  • 高額がん治療薬の衝撃??? - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    産経新聞に「1剤が国を滅ぼす」高額がん治療薬の衝撃 年齢制限求む医師に「政権がもたない」という記事が出ていた。最後には「だが、効果の有無が事前に分からない以上、オプジーボに望みを託す患者を選別することは難しい。その薬価は、患者すべての期待に応えるにはあまりに高額だ。」と結ばれていた。http://www.sankei.com/life/news/160427/lif1604270007-n1.html この記事は、免疫チェックポイント阻害剤オプジーボを例に「がんの医療費」が高騰している状況をもとに、医療保険制度が大変だという状況を伝えているという観点では評価できる。しかし、今ごろ衝撃を受けているようでは、審判がスリーアウトといって守備側がいなくなってから、バットを振っているようなものだ。高額な抗がん剤は、分子標的治療薬が開発された15年位前から、大きな課題だ。今さら、衝撃的と言われる方が、

    高額がん治療薬の衝撃??? - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
  • シカゴに来て4年;人生の引き際・散り際を考える - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    今日はきれいに晴れ上がってすがすがしい気候だ。通勤路にも、白、紫、黄色の花が咲き始め、歩いていて気持ちがよかった。 そして、今日でシカゴに来て、ちょうど4年になる。長いような、短いような4年間であった。この時期になると日が恋しくなる。それは、東京大学医科学研究所に毎年咲き誇っていた、美しい桜の姿を眺めることができないからだ。桜の花は美しいが、私が最も魅かれる点は、その散り際の潔さだ。枝枝をピンク色に染めて、鮮やかさが最高点に達した時に、春風に吹かれて散っていく様は最高に美しい。そして、なぜか、無念な想いで散っていった神風特攻隊の人たちが思い浮かぶ。彼らの死は、決して美しいと表現すべきではない。しかし、その彼らが、自分の死を持って守った日という国の誇りを捨て、自分たちの利権のために奔走する人たちが腹立たしい。 私は、この桜の散り行く様を見る度に、自分の人生の散り際を想定してきた。歌手の山

    シカゴに来て4年;人生の引き際・散り際を考える - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」