新型コロナウイルス感染でデマが拡散しています。「お湯を浴びるとウイルスが死ぬ」「お湯を飲むとウイルスが死ぬ」といった予防に関するデマをはじめ、「トイレットペーパーが不足する」というデマによる買い占め騒ぎまで起こり、ストレスが多い日常生活になっています。 なぜこのようにデマが拡散するのでしょう。コロナウイルスのように目に見えず実態としてとらえにくいハザードに対して、人は心理的に苦手であるということがその理由の一つといえるでしょう。これは東日本大震災のあとの放射能リスクと同様です。 可視化しにくいハザードに人は弱いミュンヘン工科大学のワグナーは2007年、アルプスのふもとの住民を調査し、雪解けによる災害に対する心理的なモデル(不安や楽観など心の動き)は、洪水のほうが地滑りより正確であるという調査結果を発表しました。 洪水は目に見えるハザードですが地滑りは地中の土壌や砂などの可視化しにくい現象な
