多くの病院には、ひっそりとした目立たないところに霊安室が設置してある。亡くなった患者さんに遺族や病院のスタッフが別れを告げ、そして多くは寝台車によって斎場ないし自宅へ運ばれていく。 もちろん、霊安室がないのは単なる設計ミスではなく、必要がないから設計されなかったのである。逆に言うとどうしても霊安室が必要な場合、例えば、島への観光客が不慮の事故で亡くなった場合には大変である。以前は病院の一室を用意し、ドライアイスを取り寄せ(島にはドライアイスを作る設備がない)、島外から駆け付けるご遺族の方を待つ。何年に一回かこういったことはあるそうである。逆に言えば、与論島に住んでいるほとんどの方が在宅死である。そこには島独特の死生観がある。
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