1892年、ロシアの数学者であるアレクサンドル・リアプノフは、システムが安定であることを保証するためには、エントロピーに似た関数(後にリアプノフ関数と呼ばれる)の存在を示せばよいということを発見した。 しかし、この発見には大きな課題が残された。一般的なシステムに対してリアプノフ関数を見つける方法が難しいのである。この問題は130年以上たった現在でも未解決のまま残されている。 研究チームは、この問題に機械学習の手法でアプローチした。まずランダムにリアプノフ関数を生成し、そこから安定なシステムを作り出すという方法である。この手法で大量の訓練データを生成し、それを用いて変換器のトランスフォーマーモデルを訓練した。 研究チームが開発したAIモデルは驚くべき性能を示した。多項式システムのテストセットでは99%という高い精度を達成し、さらに、訓練データとは異なる分布のテストデータに対しても73%という