「原子力発電」の話が出たので、その不安の元となっている「放射線と放射能」の話をしてみよう。 なんとなく怖そうな感じがします。 そうじゃろう。おそらく大方の者はそう感じておると思う。しかし、怖い相手の事を知っているのと知らないのでは天地の差じゃ。孫子の兵法にも「敵を知り己を知らば百戦危うからず」という有名な言葉があるように「正しく怖がる」ことが大事なのじゃよ。 なるほど、それでは早速教えて下さい。 よしよし、それでは「放射線」の話からしてみようかの。「放射線」とは物質を通過する能力をもった「電磁波や高速の粒子」のことで、放射線の存在が確認されたのは今から約100年前(1895年)のレントゲンによる「X線」の発見が最初なのじゃ。レントゲンは、放電管を用いた実験中に、放電管を厚い紙で覆っているのに、近くの蛍光物質が発光している現象を偶然に発見し、放電管から目に見えないが物質を通過