ブックマーク / www.tachibana-akira.com (49)

  • グローバル資本主義に抵抗するアートも資本主義化していく – 橘玲 公式BLOG

    ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2018年5月10日公開の「ニューヨークで生まれた「武器としての文化」が やがて権力に取り込まれディストピアになるまで」です(一部改変)。 GSPhotography/Shutterstock ****************************************************************************************** 今回は、ネイトー・トンプソンの『文化戦争 やわらかいプロパガンダがあなたを支配する』(大沢章子訳/ ‎ 春秋社)を紹介したい。 書の原題は“Culture as Weapon The Art of Influence in Ev

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    toraba 2024/04/14
    カール・ローズ教授「富裕者層が巨額の寄付を行って公共の問題に取り組む姿勢を見せるのは、裏を返せば、民主政治が公共の利益を実現する必要はないというジェスチャーなのである」https://toyokeizai.net/articles/-/664325?page=3
  • 「性交を金銭に変えるな」はエロス資本の搾取 週刊プレイボーイ連載(527) – 橘玲 公式BLOG

    なぜかほとんど指摘されませんが、AV女優という職業は、アジアでは日にしか存在しません。 世界価値観調査では、日は一貫して、スウェーデンと並んで世界でもっとも「世俗的価値」の高い国になっています。わたしたちは、冠婚葬祭で複数の宗教を適当に使い分け、生まれ故郷をさっさと捨てて都市に集まり、伝統は歌舞伎や相撲など娯楽として楽しむだけの究極の「世俗社会」に生きているのです。――日人が北欧と異なるのは「自己表現価値」が低いことで、これが他者を気にする同調圧力(ムラ社会)を生みます。 世俗的な社会では、性を含むさまざまなタブーがなくなっていきます。スウェーデンは世界に先駆けてポルノ大国になりましたが、アジアでは日がその地位を独占しています。売春産業が発達した国はアジアにもありますが、日以外では、若い女性がアダルトビデオに出演することなど考えられないのです。 マッチングサイトのビッグデータでは

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    toraba 2024/01/15
  • メディアはなぜ、トランスジェンダーと敵対するフェミニストについて触れないのか? 週刊プレイボーイ連載(582) – 橘玲 公式BLOG

    トランスジェンダーが戸籍上の性別を変える際に必要とされていた「生殖能力を失わせる」手術を、最高裁が違憲と判断しました。近年、日の司法はグローバルスタンダードに判断を合わせる傾向がありますが、これもそうした「リベラル化」のケースと考えていいでしょう。 ただし判決では、「生殖腺がないか、その機能を永続的に欠く」という生殖不能要件を不要としたものの、「変更する性別に似た外観を備えている」という外観要件については十分に審理が行なわれていないとして、高裁に差し戻しました。 (生物学的には女として生まれたが性自認が男の)トランス男性は、これまでも男性器の形成を求められておらず、生殖不能要件を否定したこの判決によって、身体に大きな負担をかける手術なしで「自分らしい」ジェンダーで生きることができるようになりました。 これには多くのひとが同意するでしょうが、メディアは「トランスジェンダー問題」の核心に触れ

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    toraba 2023/11/26
  • 女の子同士のいじめはどういうルールで行なわれているのか? – 橘玲 公式BLOG

    ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2020年3月26日公開の「「間接的攻撃」を多用する裏攻撃による「女の子のいじめ」の研究」です(一部改変)。 ****************************************************************************************** #MeToo運動で頻繁に登場したのが、“toxic masculinity”という言葉だ。これは日語で、「毒々しい男らしさ」と訳されている。「男はマッチョであるべき」というマチズモのことだが、そこにtoxic(毒性の)というネガティブな形容詞をつけたことで、「セクハラやドメスティックス・バイオレンス、レイプなど

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    toraba 2023/11/25
  • ”超富裕税”は格差社会を終わらせるか? – 橘玲 公式BLOG

    ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2020年11月19日公開の「アメリカの極端な経済格差は持続不可能だが 超富裕層の資産に高率の課税をすれば、多くの社会問題が解決する」です(一部改変)。 ****************************************************************************************** 雑誌『フォーブス』によると、資産10億ドル(約1000億円)以上のビリオネアがアメリカには705人もいる(2019年)。その一方で、国民の半分ちかくがその日暮らしの生活をしている。この極端な経済格差は新型コロナでさらに広がっているとされるが、こんな異常な状況が長く維持で

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    toraba 2023/07/23
    『公共の利益を実現するのは、一部の富裕者層や権力者であって、民主的に選ばれ、国民に対して説明責任を持つ政府ではないということである。それは、端的に言えば、民主主義の否定』https://toyokeizai.net/articles/-/664325
  • 伽藍の世界 – 橘玲 公式BLOG

    伽藍からバザールへという話を、「どうしたら革命を起こせますか?」で書いた。 『残酷な世界~』で述べたけれど、伽藍(閉鎖空間)とバザール(開放空間)ではゲームのルールが違う。 バザールは参入も退出も自由だから、相手に悪い評判を押し付けてもあまり効果はない。悪評ばかりの業者は、さっさと廃業して、別の場所や別の名前で商売を始めるからだ。 バザールでは、悪評と同様に、いったん退出するとよい評判もゼロにリセットされてしまう。だから、たくさんのよい評判を獲得した業者は、同じ場所にとどまってさらに評判を増やそうと考える。顧客は評価の高い業者から商品やサービスを購入したいと考えるから、これがいちばん合理的な戦略なのだ(ネットオークションがその典型だ)。 バザール空間でのデフォルトのゲームは、できるだけ目立って、たくさんのよい評判を獲得することだ。だからこれを、ポジティブゲームと呼ぼう。 それに対して閉鎖的

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    toraba 2023/05/28
  • 大学教育に意味はあるのか? – 橘玲 公式BLOG

    ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載しています。 前回は「あなたの一票には意味があるのか?」をアップしましたが、今回はリバタリアンの経済学者ブライアン・カプランの『大学なんか行っても意味はない? 教育反対の経済学』(みすず書房)を紹介します。原題は“The Case Against Education; Why the Education System Is a Waste of Time and Money(「教育」を被告人とする訴訟事例 教育システムが時間とカネの無駄である理由)”。(公開は2021年5月20日。一部改変)。 ********************************************************************

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    toraba 2022/07/23
    デイヴィッド・グッドハート『私たちは「手」や「心」すなわち手仕事やケア労働に比べて、あまりにも「頭」つまり知性を特権化しすぎているのです』エッセンシャルワーカーにも予算を。https://courrier.jp/news/archives/224624/
  • 女性が活躍する「残酷な未来」 週刊プレイボーイ連載(484) – 橘玲 公式BLOG

    ハイパーガミーは上昇婚のことで、身分の低い女が上流階級の男と結婚する「玉の輿」が典型ですが、身分のちがいがなくなった現代社会では、自分よりも学歴、収入、社会的地位の高い相手に魅かれることをいいます。 洋の東西を問わず、女性には強いハイパーガミーの傾向があることが知られています。アメリカでは、女性は男性の約2倍、相手に経済的な余裕があることを重視しています。日でも、20代で年収600万円以上の男性はほぼ全員に交際経験がありますが、年収200万円未満では半分程度です。 欧米の婚活サイトのデータを分析すると、女性が自分より高い学歴の男性を好む傾向も見て取れます。女性が修士号をもつ男性のプロフィールに「いいね!」を押す割合は、学士号の男性より91%(約2倍)も多いのです。 ここで問題なのは、アメリカでは1990年代以降、大学進学率と大学修了率の両方で女性が男性を上回っていることです。1960年に

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    toraba 2021/07/20
    上野千鶴子「エリート女の泣きどころは、エリート男しか愛せないってこと(笑)男性評論家はよく、エリート女は家事労働してくれるハウスハスバンドを選べなんて簡単に言うけど、現実的じゃない」
  • 安倍政権の後世の評価は「悪夢の民主党政権」のリベラルな政策を実現したこと? 週刊プレイボーイ連載(444)  – 橘玲 公式BLOG

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    toraba 2020/09/14
    「自民党は保守政党から都市型政党に変わった」https://youtu.be/UuJC7cYIQbw?t=910
  • 『上級国民/下級国民』をベルカーブとロングテールで説明する – 橘玲 公式BLOG

    新刊『上級国民/下級国民』が発売されたあと、後期近代において不可逆的に格差が拡大していく理由を「ベルカーブからロングテールへ」で説明できることに気づきました。以下にまとめておきますので、を読んでいただいた方は参考にしてください(未読の方にもわかるように書いています)。 「ベルカーブ(正規分布)の世界」では、平均付近にもっとも多くのひとが集まり、極端にゆたかなひとや、極端に貧しいひとは少なくなります。下の図では平均から1標準偏差以内(偏差値では40~60)の範囲に全体の約7割(68.3%)が収まります。 これを「中間層」とするならば、平均から2標準偏差以上離れた「中流の上」(偏差値60~70)と「中流の下」(偏差値30~40)はそれぞれ1割強(13.55%)で、「(広い意味での)中流」=平均値の2標準偏差以内に全体の95.4%が収まります。まさに、昭和の「1億総中流時代」です。 それに対し

    『上級国民/下級国民』をベルカーブとロングテールで説明する – 橘玲 公式BLOG
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    toraba 2019/08/22
    『それまでの統治構造は崩壊し、権力者や富裕層は富を失い、「平等」が実現する』戦勝国筆頭のアメリカも戦後のゴールデンエイジは高い累進税率で中間層が豊だったが・・・
  • 自民や維新は「リベラル」、立憲民主や共産党は「保守」? 週刊プレイボーイ連載(395) – 橘玲 公式BLOG

    7月の参院選は自民、公明の与党で改選定数の過半数を上回ったものの、日維新の会と合わせた「改憲勢力」は憲法改正に必要な3分の2の議席に届きませんでした。自民は8つの選挙区で現職が落選しており、有権者の判断は、長期政権の安定は評価したものの全面的に信任したわけではない、という微妙なものになったようです。 これを受けて安倍首相は憲法改正を「加速」させたい意向ですが、そもそも国民の多くは改憲に興味があるわけではないので、前途多難が予想されます。対する野党も、「年金2000万円不足問題」で攻勢をかけようとしたものの、「消費税増税反対」との股割きで一貫した主張ができませんでした。高齢者の関心はいまの年金収入を守ることで、「増税しなければ社会保障の財源が枯渇する」との主張を覆すのは容易ではありません。 私はこれまで繰り返し、「日社会は“リベラル化”しており、右傾化と呼ばれるものは“日人アイデンティ

    自民や維新は「リベラル」、立憲民主や共産党は「保守」? 週刊プレイボーイ連載(395) – 橘玲 公式BLOG
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    toraba 2019/08/14
  • 知識社会におけるもっとも不愉快な事実(ファクト) 週刊プレイボーイ連載(394) – 橘玲 公式BLOG

    ひとはみな、さまざまな能力をもって生まれてきます。それにもかかわらず、私たちが生きている「知識社会」では、言語運用能力と論理・数学的能力が高い者だけがとてつもなく有利になります。 子どもたちの知的能力を評価し選抜するのが学校システムで、ノーベル賞を取るような天才でなくても、よい大学を卒業すればおおむねよい生活が保証されます。それに対して足が速い(運動知能)とか歌がうまい(音楽知能)とかは、きわだって高い能力をもち、圧倒的な努力をし、なおかつ幸運に恵まれなければ成功できません。 誰もが知っていながら口を閉ざしている事実(ファクト)とは、「知識社会における経済格差は“知能の格差”の別の名前」ということです。 知識社会のもうひとつのタブーは、「すべてのひとが一定以上のリテラシー(知的能力)をもっている」という「虚構」を前提に社会が成り立っていることです。 福祉国家は、身体的・精神的障がいなどで生

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    toraba 2019/08/05
  • 最低賃金は引き上げるべきか、引き上げてはいけないのか 週刊プレイボーイ連載(393) – 橘玲 公式BLOG

    安倍政権は「経済財政運営と改革の基方針(骨太方針)」で、最低賃金を「年率3%程度を目途として、全国加重平均が1000円となることを目指す」としています。これではぜんぜん物足りないとして、「最低賃金1500円」を掲げる「リベラル派」もいます。 2018年の全国平均の最低賃金は874円で、1日8時間勤務で約7000円、1カ月フルタイム(週5日)で働いて約15万円程度です。それが1000円になれば収入は14%増(月17万円)、1500円なら70%増(月25万円)になる計算です。これなら貯蓄をする余裕もでき、「老後2000万円不足問題」も解消するのではないでしょうか。 しかし、世の中のたいていのことがそうであるように話はそう簡単ではありません。 アルバイトが8人いたとして、最低賃金が1000円になると人件費が月17万円増えるので、売上が変わらなければ1人に辞めてもらわなければなりません。最低賃金

    最低賃金は引き上げるべきか、引き上げてはいけないのか 週刊プレイボーイ連載(393) – 橘玲 公式BLOG
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    toraba 2019/07/29
    「南イタリアではひとびとが数少ない仕事を奪いあい、あぶれた若者たちはマフィアに入って非合法な仕事で糊口をしのぐ」財政出動などの賃上げ政策をやらずに最低賃金だけ上げればいいという隠れシバキ派も・・・
  • ゴーン保釈でわかる日本の「白人崇拝」 週刊プレイボーイ連載(383) – 橘玲 公式BLOG

    二度目の逮捕をされた日産の元会長カルロス・ゴーン被告に対し、東京地裁は検察の強い反対にもかかわらず再保釈を認める決定をしました。「10連休」直前の4月25日のことですから、「祝日で取り調べもないのに不当に被告を勾留している」との海外からの批判を避けるための、当初からの規定路線だったのでしょう。 この決定に対して検察幹部は「裁判所は完全にひよっている」と怒っていますが、その検察にしても、取り調べに弁護士の立ち会いを認めていないことについて、「それぞれの国にそれぞれの歴史や法制度があり、自分の国と異なることを理由に批判するのは妥当ではない」という「排外主義」的な言い訳をしたあと、ひたすら沈黙を守っています。その代わり、日のメディアにさかんに捜査情報をリークして自分たちに有利な世論をつくろうとしているのですから、立派なことをいえる立場ではありません。 今回の再保釈で誰もが思い出すのは、森友学園

    ゴーン保釈でわかる日本の「白人崇拝」 週刊プレイボーイ連載(383) – 橘玲 公式BLOG
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    toraba 2019/05/20
    『官僚出身の評論家や政治家が偉そうな顔をして「日本は外圧がないと変えられないんだ!」って言ってるんだけど、そんなこと平気で言える神経が信じられない』https://youtu.be/0QGONskbB4E?t=591
  • SNSの「正義」はオルガスムと同じ? 週刊プレイボーイ連載(373) – 橘玲 公式BLOG

    最初は、たわいもない話でした。ロックバンドの女性が、親友だった男性ミュージシャンと絶交したとフェイスブックに書き込んだのです。 きっかけは、そのミュージシャンが知人の女性にひわいな写真を送りつけたとSNSで告発され、ライブ会場から出入り禁止になったことでした。バンドのメンバーは疑惑を否定しましたが、#MeToo(ミートゥー)運動で社会がセクハラにきびしくなっていることもあって、彼女は「ひとりの女性として、彼がしたすべてのことを拒絶する」と書きました。それはたちまち「炎上」へとつながり、ミュージシャンは仕事を失い、アパートを追い出され、別の街に引っ越さざるを得なくなって、人生は過酷なものになりました。 その後彼女は、ロックバンドのボーカルとして(すこし)有名になりました。すると突然、高校時代の出来事を蒸し返されて大炎上することになります。誰かが女子生徒のヌード写真をSNSにアップし、その写真

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    toraba 2019/03/04
  • 徴用工判決で、なぜ韓国の民意を無視するのか? 週刊プレイボーイ連載(361) – 橘玲 公式BLOG

    韓国の大法院(最高裁)が元徴用工の賠償請求を認める判決を出したことで、またもや日韓関係が揺らいでいます。1965年の請求権協定で「(強制動員の被害補償は)完全かつ最終的に解決済み」というのが日政府の立場で、河野外相が「両国関係の法的基盤が根から損なわれた」と批判するのも当然でしょう。 国際政治では長らく、リアルポリティクス(現実主義)とリベラル原理主義が対立してきました。典型は核兵器問題で、リアルポリティクスの論者(大半の国際政治学者)はゲーム理論に基づき、米ソいずれも相手を確実に破滅させられる核兵器を保有する「相互確証破壊」こそが平和を維持しているとして、中途半端な軍縮交渉を批判してきました。それに対してリベラル原理主義は、こうした賢しらな論理を嫌悪し、核兵器は「絶対悪」なのだからどんなことをしてでも全廃しなければならない、と主張します。 こうした対立は、日では沖縄問題で顕著です。

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    toraba 2018/11/26
    『「沖縄(日本人)の民意は大切で、韓国(外国人)の民意はどうでもいい」というのは、外国人差別ではないか』リバタリアンの橘玲らしい意見
  • 「男女を平等に扱わないこと」は差別なのか? 週刊プレイボーイ連載(359) – 橘玲 公式BLOG

    女子受験生に不利な得点操作をしていたことが明らかになった東京医科大学につづいて、文部科学省の調査ですくなくとも6大学が「不適切な入試の疑いが高い」とされました。報道によれば、女性や浪人回数の多い受験生を不利に扱ったり、合格圏外の同窓生の子どもを入学させていたとされ、柴山昌彦文科相は「合理的な理由が必ずしも見てとれない」として大学側に説明責任を求めています。 第三者委員会の調査によれば、東京医大は2年間で55人もの女子受験生を一方的に不合格にしており、これはもちろん許されることではありません。とはいえ、メディアの論調を見ていると、いったいなにが問題なのかをちゃんと理解できていないようです。 今回の不正は、「すべての受験生を平等に扱っていないから」ではありません。私立学校には公序良俗に反しない範囲で生徒を選別する裁量が認められており、宗教系の学校が信者の子どもを優先的に入学させることは世界じゅ

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    toraba 2018/11/12
  • 「バカ」「死ね」に表現の自由はあるのか? 週刊プレイボーイ連載(351) – 橘玲 公式BLOG

    ネットセキュリティ会社の社員が、「低能先生」と呼ばれていた40代の男性に刺殺されるという衝撃的な事件が起きました。 報道によると、容疑者は国立大学を卒業したあと職を転々とし、3年前は福岡県のラーメン店で働いていたものの事件当時は無職でした。その学歴からわかるように、容疑者はけっして「低能」ではなく、ネットのコミュニティで他のユーザーを「低能」と誹謗中傷することからこのあだ名をつけられたようです。無職でも生活できたのは、おそらくは親の援助で暮らしていたからでしょう。 地元で最高の大学を卒業したものの社会生活がうまくいかず、ラーメン店を辞めた頃からアパートに引きこもるようになり、ひたすらネットの書き込みをつづけていたという姿が、ここからは浮かんできます。嫌がらせ投稿を理由に100回以上もアカウントを凍結されたにもかかわらず、新規IDで復活してはまた投稿を始めたことからも、その常軌を逸した執着心

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    toraba 2018/09/10
  • 定年制廃止のために金銭解雇の合法化を 週刊プレイボーイ連載(344) – 橘玲 公式BLOG

    難産の末に「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」が成立しました。野党は「働かせ法案」「過労死法案」と批判していますが、「年収1075万円以上の専門職が対象」とされたためか、大半のひとが「自分には関係ない」と思い、反対運動はいまひとつ盛り上がりに欠けたようです。 しかし働き方改革はこれで終わりではなく、国民的な議論(大騒ぎ)を引き起こすことが確実な、さらに大きなイベントが待ちかまえています。それが「金銭解雇の合法化」です。 議論の前提として、日は世界にさきがけて超高齢社会に突入し、少子化による人口減で人手不足がますます深刻化している現状を確認しておきましょう。この大問題に対処しようとすると、「右」でも「左」でもどんな政権でも、「高齢者にいつまでも働いてもらえる社会」にする以外ありません。こうして安倍政権は「一億総活躍」を掲げ、公務員の定年の65歳への引き上げや、「70歳定年制」の導入が検

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    toraba 2018/07/17
  • 女児虐待死事件でメディアがぜったいいわないこと 週刊プレイボーイ連載(343) – 橘玲 公式BLOG

    目黒区で5歳の女児が虐待死した事件では、「きょうよりか もっともっと あしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして」などと書かれたノートが発見され、日じゅうが大きな衝撃に包まれました。このような残酷な事件が起きないようにするために、いったいなにができるでしょうか。 この事件について大量の報道があふれていますが、じつは意図的に触れていないことが2つあります。 女児を虐待したのは義父で、母親とのあいだには1歳の実子がいました。じつはこれは、虐待が起こりやすいハイリスクな家族構成です。 父親は自分の子どもをかわいがり、血のつながらない連れ子を疎ましく思います。母親は自分の子どもを守ろうとしますが、それ以上に新しい夫に見捨てられることを恐れ、夫に同調して子どもを責めるようになるのです。なぜなら進化論的には、ヒトは自分の遺伝子をもっとも効率的に残すよう“プログラム”されているから……。 こ

    女児虐待死事件でメディアがぜったいいわないこと 週刊プレイボーイ連載(343) – 橘玲 公式BLOG
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    toraba 2018/07/09