多重継承を嫌う人は多いですよね。「複雑だからダメだ」ってことらしい。でも、「複雑=ダメ」はちょっと乱暴。必然性/必要性がある複雑さなら、それは受け入れざるをえないのですから。それに、どの程度の複雑さなのか、その複雑さはどこから来るのかを知らないと「ダメ」かどうかの判断はできないと思います。 という次第で、多重継承の複雑さを調べてみます。ダメかどうかの判断は僕はしません。圏論の道具を使うのだけど、事前の知識は一切不要です(最後の節を除いて)。最後にまとめて圏論的な解釈をしますが、ここは省略可能。 内容: クラスとその例 多重継承は集約と単純継承の組み合わせ 嫌われる理由 1:名前のバッティング 嫌われる理由 2:ダイアモンド継承 ダイアモンド継承の対処 とりあえずのまとめ 圏論からのアプローチと整理 クラスとその例 多重継承の話をするので、もちろんクラス概念は仮定します。でも、複雑さの話を複