もう20年くらい前だろうか。あるプロジェクトに参加していた私は、マネージャーとソリが合わなくてもんもんとしていた。 プロジェクトの現状に強い危機感を覚えていた私は、まとめ役の彼に訴えたが、「それは大変だ」というだけで一向に動いてくれない。日々、そのことが頭の大半を占めているのに、どうしたらいいか分からないという苦痛の日々が続き、四六時中ため息をついていた。 そんなとき、プライベートで仲の良い友人に、「なぜだかよく分からないけれど、全然動いてくれない人がいて……」と愚痴をこぼした。そして、「もう! あの人、何にも考えていないんだから!」と憤慨しながら訴えると、この友人はのんびりとこう言った。 「淳子さん、何にも考えていない人なんていないよ。その人は、あなたが考えてほしいことを考えていないだけでしょう?」 はっとした。 そうか、そうだ。人はつい、「あいつは何にも考えていないんだから!」と決めつ
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