Xenは,英国ケンブリッジ大学コンピュータ研究所で2002年ころに始まった,広域分散コンピューティングのインフラ作りを目指す「Xenoserverプロジェクト」から生まれた。2005年にはXenをベースとしたエンタープライズ・ソリューションを提供するXensource社が発足し,現在では様々な企業がXenに対する支持を表明している。近年のIT環境の複雑化に伴って様々な仮想化の技術や製品が登場し,それらがしのぎを削る中でも,特に高い注目と関心を集めている仮想化ソフトウエアの1つである。 Xenが注目を集めている理由は大きく分けて2つある。1つは非常に高い性能と機能を持ち合わせている点,もう1つはそれがオープンソース・ソフトウエアで構成されているという点である。 まず性能,機能の点であるが,Xenは,後述する準仮想化(パラバーチャライゼーション)の技術を利用することで,仮想化による処理性能の低
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