不正な調査が続けられてきた「毎月勤労統計」について、厚生労働省は23日、正しい数値に近づけるデータ補正が可能な2012年以降の再集計値を発表した。現金給与総額(名目賃金)は全ての月で修正され、18年1~11月の伸び率はすべて縮んで最大で0・7ポイント下方修正された。安倍政権の経済政策「アベノミクス」が重視する賃金の動向を示す調査のずさんさが、改めて浮き彫りになった。 この統計は、厚労省が賃金の動向などを毎月調べて発表している。従業員500人以上の事業所は全て調べるルールだが、厚労省は04年から東京都分について勝手に3分の1に絞る抽出調査を開始。18年1月分からは不正データを本来の全数調査に近づけるデータ補正をひそかにしていた。 04~17年調査分は補正をしておらず、不適切な比較の結果、18年1月からの名目賃金の前年同月比の伸び率が実際より高く算出されていた。厚労省が当初、21年5カ月ぶりの