日米双方の関税を削減・撤廃する貿易協定の承認案が19日の衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、参院に送付された。電子商取引などのルールを定める日米デジタル貿易協定の承認案も可決した。参院審議を経て両協定が今国会で承認されれば2020年1月1日に発効する。貿易協定が発効すれば米国から輸入する牛肉の関税は現行の38.5%から段階的に33年度に9%になる。まず20年1月1日に、その時点の環
日米双方の関税を削減・撤廃する貿易協定の承認案が19日の衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、参院に送付された。電子商取引などのルールを定める日米デジタル貿易協定の承認案も可決した。参院審議を経て両協定が今国会で承認されれば2020年1月1日に発効する。貿易協定が発効すれば米国から輸入する牛肉の関税は現行の38.5%から段階的に33年度に9%になる。まず20年1月1日に、その時点の環
政府は日米貿易交渉で8月に「意見の一致をみた」として9月末の協定の署名をめざして調整するという。大筋合意ではなく意見の一致をみただけのため、合意内容を明らかにしていない。ただ、新たな日米貿易協定とは別に米国産トウモロコシの前倒し輸入の約束をしたことは明らかにした。日米交渉の問題点は何か、東京大学の鈴木宣弘教授は「やはり失うだけの日米FTA」と指摘する。 (編集部注:本稿は8月26日に「緊急寄稿:日米FTA」として掲載されたものに鈴木教授が加筆・修正された「決定版」です)。 ◆「TPP水準」を意図的に強調する姑息 日米FTA交渉をめぐって、多くの報道で農産物の開放を「TPP水準にとどめた」かのように強調されているが、これは間違いである。 (1)そもそも、TPP水準が大問題だったのだから、TPP水準にとどまったからよかったかのような報道が根本的におかしい。 (2)加えて、米中貿易戦争の「尻拭い
【ワシントン=共同】パーデュー米農務長官は四日、日本との通商交渉で、日本と欧州連合(EU)が署名した経済連携協定(EPA)以上の農産品関税引き下げを求める考えを示した。ワシントンで記者団の取材に応じた。九月下旬の日米首脳会談の合意では、環太平洋連携協定(TPP)などの日本が結んだ過去の貿易協定の水準を最大限としていた。米側の強硬姿勢が鮮明となり、日本は難しい交渉を迫られそうだ。 ペンス副大統領は四日の演説で、「日本と歴史的な自由貿易協定(FTA)に関する交渉を間もなく始める」と述べ、今回の日米協議はFTA交渉との位置付けを明確にした。安倍晋三首相は物品を対象にした「物品貿易協定(TAG)」と説明し、「包括的なFTAとは全く異なる」と強調しており、新たな通商交渉を巡る日本との認識のずれも表面化した。 日本とEUのEPAでは、大半の品目で関税がなくなる。TPP並みに自由化され、ワインや一部のチ
日米が先月の首脳会談で合意した、新たな二国間の関税交渉入りを盛り込んだ共同声明を検証したところ、両政府の食い違いが鮮明になった。米国側が発表した声明は、新たな貿易協定の対象に物品だけでなくサービスなどを含め、日本側にある物品貿易協定の略称「TAG」の表記がない。日本は過去の首相発言との整合性を取るために造語のTAGを前面に出し、米国が想定する広範囲な分野を対象とする「自由貿易協定(FTA)」と受け取られないようにしたとみられる。 米国が発表した共同声明では「貿易協定(Trade Agreement)」の頭文字は大文字だが、「物品(goods)」は小文字で強調していない。さらに「as well as(同様に)」と続け、サービスなどの重要分野を物品と併記している。在日米国大使館はこれを「物品、またサービスを含むその他重要分野における日米貿易協定」と訳している。 一方、日本政府が発表した日本語の
日米首脳会談に同席した茂木経済再生担当大臣は、会談終了後、記者団に対し、安倍総理大臣とトランプ大統領が2国間交渉の開始で合意した「日米物品貿易協定」について、日米間の貿易の拡大につながり、日米のみならず国際社会によい影響を与えるものだという認識を示しました。 そして茂木大臣は、農林水産品をめぐって、TPP=環太平洋パートナーシップ協定など、過去に締結した経済連携協定の水準を上回る関税の引き下げには応じない方針を、アメリカ側に伝えたことを明らかにしました。 さらに茂木大臣は、アメリカが検討する自動車などの関税引き上げ措置について「日米物品貿易協定の交渉中は、自動車に関する通商拡大法232条に基づく制裁関税を課されることはないと理解している」と述べたうえで、会談でも安倍総理大臣からトランプ大統領に直接確認したことを明らかにしました。 また「新たな協定はFTA=自由貿易協定ではない。今回交渉する
日米FTA交渉を避ける道はないのか? 牛肉か車かのジレンマから脱出する方法を探る 山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 8月9日から2日間、茂木大臣とライトハイザー米通商代表の間で第一回の日米貿易協議が開かれた。次回は9月に開かれ、9月下旬には日米首脳会議が開催される予定である。 日本側から見た、日米貿易協議の論点は二つである。一つは、アメリカ産農産物の日本市場へのアクセス問題、特に牛肉の関税引き下げ要求をどう処理するのか。二つ目は、アメリカが安全保障を理由にして自動車の関税を引き上げようとしていることを回避することである。これらについて、少し解説をしよう。 アメリカは牛肉関税引き下げを目指し日米FTAを迫る 日本政府の心配・懸念は「アメリカはTPPに復帰するのではなく、日本に圧力をかけやすい日米FTA(自由貿易協定)交渉を求めてくるだろう、その時はTPPでアメリカに譲歩した以上
9月26日、ライトハイザー米通商代表部代表は、日本に対し完全な自由貿易協定(FTA)締結を目指す考えを表明した。北京で5月撮影(2018年 ロイター/JASON LEE) [国連 26日 ロイター] - ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は26日、日本に対し完全な自由貿易協定(FTA)締結を目指す考えを表明した。 協定には米議会の承認が必要で、大統領貿易促進権限(TPA、通称ファストトラック)法に基づき作業に着手する方針を示した。 記者団に語った。トランプ米大統領は同日、安倍晋三首相と会談し、二国間の自由貿易協定締結に向け協議を開始することで合意したと明らかにしている。ライトハイザー氏は、日米通商協議について2部構成とし、第1段階で「早期の成果」を得る展開に期待を示した。 ライトハイザー氏は、トランプ政権として向こう数カ月中に、一部日本製品の関税など貿易障壁について取り組む意向を明
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