本誌連載第68回『イメージがつくりだす恐怖vs.ホンモノの恐怖』において「オックスフォード英語辞典が選ぶ今年の言葉」に触れたが、もしかすると今年2020年の受賞ワードは「social distancing」(社会的距離)になるかもしれない。もちろん、「COVID-19」のほうが使用される頻度が高いのでそちらが選ばれる可能性はあるが、今年11月の発表を待つことにしよう。 さて、social distancingを実践し、テレワークが日常となった読者の方々も少なくないだろう。慣れるまで相当戸惑いを覚えた方もいらっしゃると思われるが、新型コロナウイルスがもう一人の厄介な敵を引き寄せてしまったことはあまり知られていない。 実は、ハッカーをはじめとするデジタル世界の悪党たちが、活発に蠢きはじめている。在宅勤務者の増加により、以前にも増して多くの人たちが、より多くの時間をインターネット上で過ごすように