17年6月の書籍雑誌の推定販売金額は1103億円で、前年比3.8%減。 書籍は541億円で、同0.2%減、雑誌は562億円で、同7.0%減。 雑誌の内訳は月刊誌が459億円で、同6.3%減、週刊誌は102億円で、同9.6%減。 返品率は書籍が41.6%、雑誌は44.8%で、月刊誌は45.5%、週刊誌は41.4%。 今年に入って、書籍の返品率が40%を超えたのは5、6月の2回だが、雑誌はずっと40%を超え、その内の半分は45%以上となっている。 雑誌の場合は、書籍以上に毎月の調整がなされているわけだから、一向に返品率が低くならないのは、雑誌離れ、雑誌を読む習慣が社会から急速に失われつつあることを表象しているのだろう。 それは雑誌の委託配本システム自体のこれからの困難さを物語っているようだ。 1.出版科学研究所による17年上半期の出版物推定販売額を示す。 ■2017年上半期 推定販売金額 月推
鹿児島大(前田芳實学長)は31日、学内施設の維持費を捻出するため、図書館や体育館など35施設の命名権(ネーミングライツ)や学内の広告パネルのスポンサー募集を始めた。年1億円の収入を目指す。国立大が大学を挙げて広告主を募るのは珍しいという。 命名権の対象は、鹿児島市内の4キャンパスにある講義、研究棟を除いた施設で、売店や飲食スペースを備える学習交流プラザや、学生以外の利用もある中央図書館、動物病院など。価格は施設で異なり、年間20万円から。広告パネルは1カ月1万~3万円という。 同大の施設は318棟あり、一部は築50年を超える。水道管の腐食対策、空調更新など半数で改修が必要だが、国の交付金削減で維持管理費は10年前より2割減った。地方大学は同じ悩みを抱え、佐賀大(佐賀市)は学内美術館の命名権のスポンサーを募っている。 前田学長は同日の記者会見で「施設や設備の老朽化で教育研究に支障を来し
デジタルアーカイブ学会が設立されて第一回の学術大会が開催され、ジャパンサーチ(仮称)がその姿をみせつつあるなど、デジタルアーカイブが再び脚光を浴びつつあります。しかしながら、我が国ではデジタルアーカイブは以前にもブームになったことがあります。そのときに作ったものはどこに行ってしまったのか、ということも議論されるべきだろうとは思いますが、とりあえず、まず考えるべきことは、これから作ろうとするものが、今度こそはどこかに行ってしまわずに、きちんと、できる限り継承されていくことだろうと思います。そこを踏まえた上で、過去を振り返ることも余裕があればやってみるとよいだろうと思っております。やや狭い範囲ですが、私もかつて過去のデジタルアーカイブの営みについての調査をしたことがありました。 さて、「デジタルアーカイブをできる限り継承する」ことについての一般的な話については、この間、依頼をいただいたので原稿
今年の上半期、出版業界で大きな話題を集めたのが、村上春樹の最新作『騎士団長殺し』(新潮社)だ。発売時には大きな話題となり、ベストセラーランキングでも上位に入っている同作だが、業界内での評価は違うようだ。 『騎士団長殺し』は、村上春樹にとって『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)以来4年ぶりの長編小説。発行元の新潮社は、初版で異例となる100万部を刷ると、発売前にさらに30万部の増刷をかけ、計130万部を用意した。これについて、書店関係者は語る。 「これだけ大量に刷るというのは、もちろん『売れる』という自信があったからでしょうが、背景には近年の書籍の売上傾向もあると思います。ここ最近、出版界ではごくごく少数の本が爆発的に売れる状況が完全に定着しており、一度勢いがつくと、いつまででも売れ続けます。村上春樹レベルになると、新作が出るだけでニュースになりますので、ロケットスタート
■新刊を絞り厳選 出版不況下で販売不振にあえぐ文庫本のテコ入れを図ろうと、作り手と売り手が知恵を絞っている。内容の一部を隠して興味をかき立てたり、書店の棚での陳列を一新したり。ポケットに入る手軽な一冊を届ける地道な作戦の効果やいかに? (海老沢類) ◇ 当店文庫第1位を独走中!-。東京都江東区にある紀伊国屋書店ららぽーと豊洲店のレジ脇のワゴンに、そんなうたい文句を冠した文庫本が平積みされている。 女性死刑囚の凄絶(せいぜつ)な生を描く、早見和真さんのミステリー『イノセント・デイズ』(新潮文庫)。手にとると、直木賞作家の辻村深月(みづき)さんが書いた巻末の「解説」がフィルムで閉じられていて、読めないのに気づく。 「物語の本質に寄り添う解説。そのすばらしさをアピールしつつ、あえて見えないようにすることで『読みたい』気持ちになる」と同店の平野千恵子さん。発売から2週間ほど過ぎた3月中旬に解説部分
節電のため冷房が効いた公共施設や商業施設に出かけて涼む「クールシェア」をもっと広めようと、県などは施設をめぐる初のスタンプラリーを行っている。県のホームページで紹介しているクールシェアスポット(スタンプラリー実施スポット)のうち5カ所を回って応募すると、抽選で330人に景品が当たる。 クールシェアは夏場に家庭のエアコンの電気使用量を減らす取り組みで、環境ふくい推進協議会が平成27年から毎年実施。クールシェアスポットは、図書館や博物館、商業施設など約150カ所が登録。県のホームページで紹介している。 スタンプラリーはシェアスポットのうち5カ所を回り、8月31日までにスタンプを集めてもらう。抽選で330人に県産品の「『食の国ふくい』選べるギフト1万円コース」や映画鑑賞券(ペア1組)、全国百貨店共通商品券(千円分)などが当たる。「節電への意識を高めてもらい、地球温暖化対策となる行動へ自発的な取り
荒井退造氏の生きざまを後世に伝えようと呼び掛けた、フォーラムの登壇者ら=30日、栃木県の宇都宮市立南図書館 【栃木県で新垣毅】1945年の沖縄戦当時、住民の疎開・避難に奔走した荒井退造警察部長=栃木県出身=の生きざまから何を学ぶかをテーマにしたフォーラム(主催・NPO法人菜の花街道など)が30日、栃木県の宇都宮市立南図書館のホールで開かれた。荒井氏は当時の島田叡(あきら)知事=兵庫県出身=と共に沖縄の住民10万人以上の疎開に尽力した。討論会で登壇者らは「荒井氏は県民の命を守る公職を全うし、命どぅ宝を実践した。その思いを後世に伝えていこう」などと呼び掛けた。約400人が熱心に話を聞いた。 フォーラムには、沖縄から嘉数昇明元副知事が登壇、他にも沖縄県関係者16人が出席した。島田氏の出身校・兵庫県立兵庫高校からも同窓会の小林正美武陽会副理事長が登壇した。沖縄・兵庫・栃木の「トライアングルパネル討
桜井駅に設置した「本の巣箱」をPRする三宅嘉彦さん(左)と青木なぎささん=奈良県桜井市で2017年7月27日、栗栖健撮影 読み終えた後の本を中に置き、読みたいと思う別の希望者に自由に借りてもらう「本の巣箱」が、奈良県桜井市のJR・近鉄桜井駅南口に設置された。巣箱を通じ、多くの人に本に接する機会を提供しようと、地域の活性化に取り組む「桜井市本町通・周辺まちづくり協議会」(小西宗日出会長)が考案した。【栗栖健】 協議会は活動の一環として、本町通り商店街内の拠点施設「たまり場」(同市桜井)で月1回程度、「さくらいほんまちライブラリー」を開いてきた。参加者が他の人に薦めたい本を持ち寄って語り合い、交流する、コミュニティー型の図書館だ。本の巣箱は、その“出張版”として考えたという。 協議会の担当理事で、「たまり場」近くで理髪店を経営する三宅嘉彦さん(59)は「趣味は読書」といい、理髪店内にもコミック
港北図書館(横浜市港北区菊名6)で現在、慶應義塾大学日吉キャンパスに残る戦争遺跡「日吉台地下壕(ごう)」を紹介するパネル展示が開催されている。 太平洋戦争中、旧海軍連合艦隊司令部が置かれた日吉キャンパス。寄宿舎などは兵舎として使われていたが、地下には作戦室や司令長官室のほか、海軍省人事局・航空本部なども構築され、広大な地下壕が作られた。「レイテ沖海戦」の作戦命令や戦艦大和の出撃命令などはこの司令部から発せられたといわれている。 地下壕は現在、同校の旧教職員やOB、地域住民を中心に発足した「日吉台地下壕保存の会」の活動によって、戦争遺跡として語り継がれている。同会は定期的に地下壕の一部を見学する企画も行ってきた。 今回は「日吉台地下壕保存の会」の協力で、同会が所蔵する地下壕(ごう)や戦時中の写真を展示している。8月6日には同会の佐藤宗達さん、小山信雄さんを講師に迎えた講演会も予定する。開催時
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「諸橋大漢和」の通称名で知られる「大漢和辞典」のゲラ刷りの宝鉱山(山梨県都留市)疎開について調査報告する都留市立図書館司書の古屋知美さん=市まちづくり交流センターで 山梨県都留市の戦後72年企画「市民の記憶を語り伝える会」(同市教委主催)が30日、同市中央3の「市まちづくり交流センター」であり、都留文科大初代学長の漢学者、諸橋轍次博士(1883~1982年)の「大漢和辞典」(大修館書店)のゲラ刷りが戦火を逃れ、旧宝村(現都留市)にあった宝鉱山(戦後、三菱金属鉱業宝鉱山に改称)に疎開していた経過が報告された。戦中戦後の三十数年の歳月と延べ25万8000人の人員を費やして完成されたといわれる世界的大著に、三菱の鉱山を通して都留市が深く関わっていた事実が分かった。 都留市立図書館によると、「大漢和辞典」は大修館書店(東京・神田錦町)と1928年に編さん約定が成立。太平洋戦争開戦前の41年10月ま
図書館運営会議の議論を経て神戸市内の各図書館に掲出された張り紙のコピー。「絶歌」を所蔵しない方針と理由が明記された 2年前の6月23日、神戸市の「図書館運営会議」で、ある書籍の購入の可否が話し合われた。20年前の1997年に同市須磨区で起きた連続児童殺傷事件の加害男性が著し、社会的な議論を巻き起こした「絶歌(ぜっか)」。憲法に定める「知る権利」や「表現の自由」とともに、地元で発生した事件の重みと遺族らの思いに配慮した検討の過程を、当時の内部資料などから振り返る。(小川 晶) 「どんな本なんだろう」 2015年6月上旬、神戸市立中央図書館。近日発行予定の新刊をまとめた「選書リスト」に含まれる1冊が、職員の間でちょっとした話題になった。 蔵書として購入するかどうかの判断材料となる資料で、書籍名やシリーズ名、著者名など取次業者が提供した情報が並ぶ。その1冊は「絶歌」というタイトルと出版社名は記さ
「絶歌」をめぐっては、兵庫県内の他の公設図書館でも利用をめぐる議論に発展した。神戸市と同様に所蔵を見送った施設もある一方で、専門家からは「知る権利」を保障する重要性を訴える声も出ている。 県立図書館(明石市)は、県内で起こった事件の関連書籍として1冊購入したが、研究目的などの館内利用に限って認めている。これまでに数件の閲覧申請があったといい、担当者は「犯罪被害者の感情などに配慮した例外的な取り扱い」と説明する。 同館が運営する県内公設図書館のデータベースによると、館外貸し出しを認めているのは39市町のうち、三木、小野、播磨、猪名川の4市町のみ。豊岡、赤穂、加東、稲美の4市町が館内閲覧に限って一般利用を許可している。 三木市では、図書館が購入した絶歌の撤去などを求める請願が市議会で採択され、利用者の目に触れない閉架資料とする一方、貸し出しを続ける。担当者は「予約も多く、『読んで内容を判断した
9月3日告示、10日投開票の多久市長選に立候補を表明している現職の横尾俊彦氏(61)=北多久町=は30日、多久市北多久町に後援会事務所を開いた。民進党県連代表の大串博志・衆院議員のほか、自民党の県選出国会議員の秘書らも出席、支持者約150人(後援会発表)が詰めかけた。
2019年までに実現を目指す3大数値目標の1つに「本の年間貸し出し数300万冊」を掲げ、本のまちづくりを推進する兵庫県明石市。1月にはシンボル施設として明石駅前の再開発ビル内に、民間大型書店と同居する公共図書館をオープンさせた。新たな賑わいを生み出し、まちの価値を上げようとする泉房穂市長に真意を聞く。 ――本のまちづくりを施策の前面に掲げているのはなぜですか。 私自身、子どもの頃から、大人になったら壁一面が本棚になった家に住みたいという夢を持っていたぐらい、本が大好きでした。今も空き時間があると図書館や本屋さんによく行きます。本というのは単なる紙ではなく、歴史の時間を越え、国境を越えて様々な人と出会い、つながることができます。いろいろな学びのきっかけになるものです。 本を明石のまちづくりの中心に位置付けて、人々に住みたいと思ってもらうための売りにしようという考えは、市長になる前から持ってい
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