三十年以上にわたり、太平洋戦争時の日本各地での空襲被害を調べてきた研究者がいる。元高校教諭の中山伊佐男さん(87)=東京都杉並区。米軍の機密資料を翻訳するなど、地道な作業を続けた結果、一九四五年七月の千葉空襲が市街地を狙った可能性のあることが分かった。「千葉でも住民を標的にした空襲があったことを知ってほしい」と話す中山さん。十九日から千葉市で開かれる集会で調査結果を発表する。 (黒籔香織) 中山さんは十五歳だった四五年八月、東京からの疎開先の富山市で米軍の空襲を受け、母親と妹を亡くし、戦争孤児となった。父親は空襲前に事故で亡くしていた。 「なぜ二人はこのような目に遭ったのか」。そんな思いから、都内の私立高校で生物を教える傍ら、八三年夏以降、国立国会図書館に通い、米国立公文書館で複製された富山空襲などの米軍機密資料を調査。富山市の空襲は、住民を狙った爆撃だったことが明らかになった。
太平洋戦争後、横浜市などが描いた市内の開発構想や計画図などをまとめたパネル展「昭和横浜の構想図・完成予想図-過去に描いたヨコハマの未来」が、横浜市西区老松町の市史資料室(市中央図書館地下1階)で開かれている。 (志村彰太) 関内地区など市中心部は連合国軍の接収解除が一九五〇年代だったため、復興が遅れた。学芸員の百瀬敏夫さんは「開発構想をつくる時期が高度成長期と重なった。自動車の普及を前提とし、土地の有効利用を掲げた計画が多い」と解説する。 計画図や模型を撮影した写真など百七十点が並ぶ。実現しなかったものも多く、野毛地区や伊勢佐木町三丁目は、中高層の長方形のビルを道路に面して建設し、歩行者と自動車を分離する構想があった。五九年に完成した現在の市庁舎も複数のデザイン案があり、コンペに出た五つの案の写真が展示されている。
杉戸町立図書館は二十九日から三十一日まで、夏休み特別企画「朝活図書館」を初めて開催する。開館時間を通常より二時間早め、午前七時から九時まで小中学生のために開放する。担当の小暮雅顕さんによると、こうした企画は全国的にも珍しいという。 杉戸町立図書館はこれまで、館内に泊まって読書をする「図書館お泊まり会」など子供向けのユニークな企画を次々と打ち出している。今回の朝活図書館は、不規則な生活を送りがちな夏休みの終わりの時期に、早朝の図書館を活用することで早起きに慣れ、新学期に向けての準備をしてもらうのが狙い。申し込みは不要で、町外の小中学生も利用できる。 小学生の子どもがいるという小暮さんは「早朝から開館すれば、親御さんや子どもたちにも喜ばれるのではないかと思い、企画した。夏休みに不規則になりがちな生活のリズムを図書館で整えて、二学期から始まる学校生活を有意義なものにしてほしい」と話す。
船橋市西図書館は七日、インターネット上に所蔵資料を無料公開する「デジタルミュージアム」を開設する。同館所蔵品をはじめ、郷土資料館と市教委の資料を含め千点以上をデジタルデータに変換し、閲覧できるようになり、同様のシステムでは国内最大級の公開になるとしている。 デジタルミュージアムは、民間会社が運営する「クラウド型プラットフォーム」と呼ばれるシステムを利用。特別なソフトをインストールしなくてもパソコンやスマートフォン、タブレット端末などで見ることができ、画像を自由に拡大・縮小できる。 西図書館は市や県に関する書籍や自治体が発行する行政資料を収集するほか、古文書約三千七百点、浮世絵などの絵画約七百点、古地図約五百点などを所蔵。今回公開するのは、同館に所蔵されている八百八十三点と、郷土資料館の三百四十七点など。
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