江戸戯作4千作を移譲 専修大図書館へ2009年11月12日 江戸後期の庶民の娯楽読み物だった戯作(げさく)のコレクションが、専修大学図書館(川崎市多摩区)に移譲された。約4千作、計3万5千冊で、国立国会図書館の収蔵数に匹敵するという。集めたのは市井の個人、東京の会社員向井信夫さん(故人)だった。 ◇ 「向井コレクション」には、98巻106冊の「南総里見八犬伝」(曲亭馬琴)や38編160巻の「偐(にせ)紫田舎源氏」(柳亭種彦)など、江戸の人気作家の作品が集まっている。驚くのは、多色刷りで趣向を凝らした華やかなものが多いことだ。 向井さんは1916年、東京生まれ。商業学校を出て、中国・北京の交通会社に就職。シベリア抑留を経て引きあげ、47年に大日本図書に入社。戯作の収集は、そのころ始まったらしい。印刷物なので比較的数が残っており、当時はまだ購入しやすかったようだ。 向井さんは93年に亡くなるま