大阪市内に数ある鉄道路線の中で、最も乗降客数が少なく最も存在がマイナーな「南海汐見橋線」。正式には南海高野線の一部だが、高野線から線路を分断されて完全な支線として運行されている汐見橋-岸里玉出間全長4.6キロの路線は、日中30分に一本だけ、二両一編成の電車がピストン輸送するだけの「都会の秘境鉄道」として今なお現役である。 その始発駅となる大阪市浪速区の「南海汐見橋駅」のホームを11年ぶりに訪れた。当サイトでは2007年にこの駅や沿線風景を伝えたレポートを公開したが、さすがに10年以上も経って写真のリンクが途切れたり当時の文章が稚拙だったりと色々アレな感じになってしまっているので、改めて書き直したい。 「南海汐見橋線」とは何なのか 日本最古の私鉄会社である南海電気鉄道の一路線にあたる「南海汐見橋線」は明治33(1900)年に開通した高野鉄道(南海高野線の前身)時代からの歴史があり、その始発駅