「自衛隊は合憲、集団自衛権は違憲」の根拠とは 長谷部恭男・東大名誉教授は、2015年に衆議院憲法審査会で「安保法制は違憲だ」という意見を述べて有名になった憲法学者である。憲法調査会を取り仕切っていた自民党の船田元議員は、長谷部教授が特定秘密保護法案などに賛成してくれていたので油断した、などと述懐した。しかし長谷部教授は、長きにわたり、集団的自衛権を違憲と論じる者であった。 長谷部教授は、『憲法と平和を問いなおす』(2004年)で、護憲派の立場を維持しつつ、自衛隊合憲論を打ち出した。東大法学部憲法学のエース・長谷部教授の自衛隊合憲説は、当時の憲法学に衝撃を与えた。しかし、今日、憲法学者が口をそろえて「自衛隊は昔から合憲なので改憲の必要はない」という立場で、「アベ政治を許さない」ために大同団結できるのは、長谷部教授が打った布石のおかげだ。 「安保法制は違憲だ」という発言で、俗にいう長谷部教授の