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ブックマーク / blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa (51)

  • 派遣村はまた必ず出現する : 金融日記

    2008年の大晦日に日比谷公園に突如として出現した派遣村はマスコミで大きく報道され、世間の注目を大いに集めました。 そしてこんなかわいそうな人たちを作り出した規制緩和や構造改革を旗印にした小泉政権、必要がなくなったら簡単に首にする利益至上主義の大企業、そしてそういった状況を放置する政府が激しく非難されました。 しかしこういった非難が的外れのものであることはすでに多くの経済学者によって指摘されています。 たとえば派遣が禁止されれば、企業は景気が悪くなっても法的にほとんど解雇することができな正社員を増やすかといったらそんなことはありません。 企業は工場を海外に積極的に移すでしょうし、派遣社員で担っていた労働力は請け負いなどの別の方法に切り替わるだけです。 そして残った正社員はさらに長時間労働を強いられるようになるし、派遣社員として吸収されるはずだった労働者は、失業者へと変わるのです。 結果的に

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  • みんな亀井静香を甘く見ない方がいい : 金融日記

    今日は、どこも亀井静香金融相の話題で持ちきりですね。 中小企業への徳政令や、大阪証券取引所の日経平均先物の廃止、そして郵政の国営化などなど。 多くの識者は相手にもしていないと言うか、馬鹿にして、このへんな爺さんはそのうちいなくなるよぐらいに思っているようです。 しかし、この元警察官僚で、当選11回の72歳の爺さんを甘く見ない方がいい。 彼は東京大学でマルクス経済学を学び、キューバのゲリラ指導者チェ・ゲバラを心から尊敬する極めて危険な社会主義者です。 そして、今、彼はとんでもない権力を手にしているのです。 政治にあんまり詳しくない人は、何でこんな議席数が少ない国民新党が威張っているんだと思うかもしれませんが、これが小選挙区と比例代表の並列システムの綾で、彼が日政治のキャスティング・ボートを完全に握っています。 今、日政治はすべて亀井静香のてのひらの上に乗っていると言ってもいい。 参議

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  • この数ヶ月間で面白かったちょっと専門的な金融・経済関連の本5冊 : 金融日記

    この数ヶ月間に読んだの中でかなりためになったを紹介したいと思います。 金融・経済のやや専門的な一般書です。 1.なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学、池尾和人、池田信夫 2007年のサブプライムバブルの崩壊からはじまった一連の世界同時金融危機の包括的な事実関係の整理と分析のです。 それぞれのクライシスの経済学的な解釈が詳細に述べられています。 また日の失われた20年に対する分析や素朴なケインズ政策に対する批判も分かりやすいです。 →以前の書評 2.なぜグローバリゼーションで豊かになれないのか―企業と家計に、いま必要な金融力、北野一 どうも証券会社のエコノミストやストラトジストが書くというのはあまりいい印象がなかったのですが、このはなかなか面白いです。 グローバルな投資家による(広義の)裁定取引によって、相対的に経済成長率の低い日が苦境におちいっている様子がよ

    この数ヶ月間で面白かったちょっと専門的な金融・経済関連の本5冊 : 金融日記
  • インフレ待望論は赤木智弘の金融バージョンだ : 金融日記

    戦争は悲惨だ。 しかし、その悲惨さは「持つ者が何かを失う」から悲惨なのであって、「何も持っていない」私からすれば、戦争は悲惨でも何でもなく、むしろチャンスとなる。 もちろん、戦時においては前線や銃後を問わず、死と隣り合わせではあるものの、それは国民のほぼすべてが同様である。 国民全体に降り注ぐ生と死のギャンブルである戦争状態と、一部の弱者だけが屈辱を味わう平和。 そのどちらが弱者にとって望ましいかなど、考えるまでもない。 持つ者は戦争によってそれを失うことにおびえを抱くが、持たざる者は戦争によって何かを得ることを望む。 持つ者と持たざる者がハッキリと分かれ、そこに流動性が存在しない格差社会においては、もはや戦争はタブーではない。 それどころか、反戦平和というスローガンこそが、我々を一生貧困の中に押しとどめる「持つ者」の傲慢であると受け止められるのである。 若者を見殺しにする国 私を戦争に向

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  • 勝間さんのインフレ政策を実行するとどうなるのか? : 金融日記

    勝間さんが菅さんにしたプレゼンテーションが話題になっています。 実はこれは今必要な経済学の勉強にとてもいい題材なのでくわしく解説したいと思います。 その後の意見交換で、「具体的にどうすればいいのか」と聞く菅担当相に対して、勝間さんは「通貨発行量をふやすのがいちばん簡単」「要は中央銀行のお金を大量に刷って、それを借金として政府がばらまく」と回答。菅担当相が「簡単に言えば、国債を50兆なり70兆なり出して、日銀に買い取らせるということか」と聞くと、勝間さんは「そういうことです」と答え、「国債の発行が悪いことのように国民は教育されているが、将来への投資と考えるべき」と主張した。 勝間和代さんのデフレ退治策、菅直人副総理は納得せず、毎日新聞、勝間和代のクロストーク このことに対して否定的な意見の代表例は「そんなことしたらコントロールできないハイパーインフレになる」です。 しかし、勝間さんもこういう

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  • 日銀がお金をたくさん刷れば問題が解決すると思っているオメデタイ人々を救済するエントリー : 金融日記

    どうも日銀がお金をどんどん刷ればデフレが解決して日経済も好転すると思っているひとがネットだけじゃなくて大学教授とかにもかなりいるみたいなんですけど、そんなことは全くありません。 もちろん僕も年率3%ぐらいのインフレを起こすことができれば日経済が抱えているかなりの問題がよくなると思っていますが、日銀がそんなことを実現する手段を持っているかといえば答えは残念ながらノーです。 日銀がお金をたくさん刷ればすべての問題が解決すると一部の人はいっていますが、そもそもお金を刷るとはどういうことでしょうか? おそらくそれは日銀が国債をもっとバンバン買えといっているのでしょう。 じゃー、日銀がそういう人たちの念願どおり国債を民間の金融機関からドンドン買ったらどうなるのでしょうか? 国債を日銀が買うとその分の現金が金融機関に渡るのでもちろんマネタリーベースは増えるし、信用創造がほとんど起こらなくてもその分

    日銀がお金をたくさん刷れば問題が解決すると思っているオメデタイ人々を救済するエントリー : 金融日記
  • みんな鳩山兄弟を甘く見ない方がいい : 金融日記

    郵政民営化のために尽力してきた西川善文社長が辞任に追い込まれ、後任には元大蔵次官の斎藤次郎氏が就任することに決まった。 そして、マスコミの批判はせいぜい「民主党の旗印の脱官僚と矛盾するじゃないか」と言ったものだ。 今回の西川社長辞任劇の最初のきっかけは鳩山由紀夫首相の弟である鳩山邦夫元総務大臣が日郵政がかんぽの宿をオリックス不動産に売却した件に関して出来レースだと西川氏を執拗に攻撃し、民主党の現総務大臣である原口一博らが西川氏を特別背任未遂容疑で刑事告訴したことが発端である。 しかし、かんぽの宿売却は不動産ビジネスの商慣習に明るい者からみれば何一つ悪いことはなかった。 むしろ、鳩山邦夫の横やりで一刻もはやく処理したかった国民の不良債権を高値で売り払う千載一遇のチャンスを逃してしまったというのが大方の見方だ。 その証拠に、未だにかんぽの宿をオリックス不動産より高い値段で買い取りたいという不

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  • お盆休みの推薦図書 : 金融日記

    投資、ビジネス、金融、経済、政治に関する(←まあつまり金と権力に関するwww)で特に面白くてためになったものをお盆休みの推薦図書として紹介したいと思います。 1. 投資と金融の なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方、藤沢数希 手前味噌で恐縮ですが、投資や金融について一通り勉強したいのであればこのがベストでしょう。 (なんせそのために書いたのですから) リスクとリターン、リスク・プレミアム、効率的市場仮説と言った標準的なファイナンス理論の知識を非常に分かりやすく解説しています。 このを読めば、怪しげな金融商品に騙されなくなりますし、ファイナンシャル・アドバイザーにお金を払う必要もなくなります。 まだ読んでない人はアマゾンで注文するか屋に急ぎましょう。 2.経済の(軽い読み物系) バカヤロー経済学、竹内薫 最近社会から消され

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  • 金融日記:このまま日本の借金がどんどん増えて国の財政が破綻してインフレーションが起こるといったい何が困るのか?

    最近は民主党も自民党もバラマキ合戦で、国の借金がどんどん増えている。 この借金の行く末は重税か財産破綻かのどちらかだと言われている。 そこで今日はいったい国の借金が増え続けるとどうなるのか考えてみたい。 重税の場合は簡単である。 無責任な政治家や官僚、そしてそんな人たちを選んだ無責任な国民のつけを、これから何十年も働く若年層の労働者が重税と言う形でずっと負担していくのである。 こちらは想像するのは簡単だ。 しかし、税金を上げるのは政治的に難しい。 その場合は国債をまたどんどん発行して、借金がどんどん増えていくのである。 そうするとこれ以上、国債を買ってくれなくなったところで財政破綻して日が破滅すると言われている。 しかし、ぶっちゃけた話、何が起こるか分かっていない人が多いだろう。 そこで今日は財政破綻したら何が起こるか考えよう。 結論から言うとインフレーションが起こるのである。 インフレ

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  • 農業補助金ゼロ、農産物関税0%、規制全廃で日本の農業はよみがえる : 金融日記

    政治家の先生や農林水産省のお役人は「料自給率を上げる」とか「日の美しい水田を守る」だとか、はては「米は日人の心」だとか言う分けの分からないことまでいろいろ言っている。 そしてこの間にとんでもない税金が直接的、間接的に農業に注入されて来た。 料自給率、料自給率と騒ぐ政治家の皆さんがいっぱいいる一方で、同じ政治家が減反政策と言って米の生産を抑制する政策をずっと取っている。 それで米を作るのちょっとやめてくれと農家に頼んで、言うことを聞いた農家にはたんまりと補助金を払う。 こう言った米の減反政策に関する補助金は今までで7兆円以上投入されてきた。 7兆円と言ったら、アメリカの穀物メジャーのカーギルやADM、ヨーロッパのブンゲなんか全部買収してもぜんぜんお釣りがくる金額だ。 もっともカーギルは上場していないし、実際に日国政府がそんな買収をするのは政治的にはむずかしいかもしれないけど。 し

    農業補助金ゼロ、農産物関税0%、規制全廃で日本の農業はよみがえる : 金融日記
  • 途上国が貧しいのは先進国が搾取しているからではないし、貧乏人が貧しいのも金持ちが搾取しているわけではない : 金融日記

    こんにちは。 藤沢Kazuです。 世界にはアメリカや日のような豊かな国々があります。 また、アフリカの多くの国々のように極めて貧しい国々もあります。 その中間にはBRICsのような新興国群があります。 もっとも日は1990年ぐらいまでは少なくとも経済的には世界でトップクラスのリッチな国だったわけですが、その後はみなさんご存知のように経済大国としての地位はどんどん凋落して、今では香港やシンガポールなんかより国民一人当たりのGDPは下になってしまいましたけれども。 ところで、国民一人当たりのGDPと言うのは簡単に言えば国民一人の平均年収みたいなものです。 アフリカの多くの国々が最貧国です。 アジアにもカンボジアや北朝鮮のような最貧国があります。 南米にもボリビアのような非常に貧しい国々があります。 世界の最貧国では生まれてくる赤ちゃんは劣悪な衛生環境で次々と死亡します。 飢饉で国民が餓死す

    途上国が貧しいのは先進国が搾取しているからではないし、貧乏人が貧しいのも金持ちが搾取しているわけではない : 金融日記