天皇陛下は一人の郷土史家に光を当てられたことがある。 江戸時代に沖縄・先島諸島を襲った「明和の大津波」を、丹念なフィールドワークで調べ上げた沖縄県石垣市の故牧野清さん(1910~2000年)だ。 過去に学び、未来に生かす。牧野さんの姿勢は、防災に対する陛下の思いと一致する。足跡をたどると、皇室とのつながりが見つかった。(共同通信=田中真司) ▽1冊の本 「『津波石』の存在は、石垣市の職員であった牧野清氏が職務の傍ら現場に赴き、石垣島に残る津波石と推定された岩塊の分布を克明に調べ、1冊の本にまとめたことによって、広く知られることとなりました。災害を歴史から学ぶ先駆となった事例といえましょう」 2021年6月、陛下はオンラインで参加した「国連水と災害に関する特別会合」で基調講演をし、牧野さんの事績と著書「八重山の明和大津波」を紹介した。 地震による津波は1771(明和8)年に起きた。犠牲者は約
安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などで起訴された山上徹也被告(43)が「現在のような状況を引き起こすとは思っていなかった」と話していることが21日、分かった。弁護団が記者団に明らかにした。接見で述べたという。 事件を機に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令や裁判が行われ、政治家と特定の宗教の関係が注目されるようになったことを指しているとみられる。 弁護団によると、被告は「(宗教)2世の人たちにとって良かったのか悪かったのか分からない」とも述べた。弁護団は明確な真意を確認できていないとしている。自身のような「宗教2世」の境遇が広く知られるようになると思っていなかった可能性がある。 被告は、母親が多額の献金をした旧統一教会に恨みを募らせていたとされ、逮捕後に「(教団を韓国から)招き入れたのは岸信介元首相。だから(孫の)安倍氏を殺した」などと供述した。弁護側は公判で、家庭環境に同情す
そのじいさんが亡くなった。 昨年に父が亡くなり、私の実家は車を処分したので、実家に帰省するときはレンタカーを予約する。この連休もそうした。 安いので、地元の自動車修理工場がフランチャイズでやっているインディーズ系レンタカーにしてみたら、受付してくれた事務の親切な女性は、レンタカー約款を読み上げる間中修理工場から爆音で流れてくる演歌のUSENに向かって突然「ああうるさいっ!」とブチぎれ、「あなたもうるさいと思うでしょう!?」と私に同意を求め、同僚に修理工場につながるドアを閉めさせると、「最後に乗っていたのは平成15年式のbB(みんなの地元のDQNがよく乗ってたやつ)です。令和になってもまだ乗ってました」というある意味SDGsでは? みたいなことを平気で言う私に、令和2年式フィットハイブリッドという、まさに隔世の感というほかない車の操作方法をとても丁寧におしえてくれた。 そんな調子で車を借りて
2019.07 あかで別れし花の名 山本啓介(中世文学) 2014.03 思案投げ首 片山宏行(日本近代文学) 2012.09 日本語研究の大海原へ 澤田 淳(言語学、日本語学) 2011.12 語構成の知識を生かした語彙学習 山下喜代(日本語教育学) 2011.12 都市文学としての西鶴小説 篠原 進(近世文学) 2011.01 昔の数詞を探る 安田尚道(日本語学) 2010.10 『古事記』はどのように書かれたか 矢嶋 泉(上代文学) 2010.02 夏目漱石『こゝろ』 日置俊次(近代文学) 2008.11 パロディと江戸文学 大屋 多詠子(近世文学) 2008.05 和歌というもの 廣木 一人(中世文学) 2007.10 <やまとことば>と物語 土方 洋一(平安文学) 1 文学史や日本史の教科書には必ず『古事記』という書名は載っていますし、小中学生向けの歴史系漫画シリーズにも編纂に関
第一部 日本文化と漢字・漢文 第四章 漢文訓読について (12)漢文訓読の歴史 さてここで、漢文訓読の歴史について簡単に触れておきます。 漢文訓読はいつから行われているのでしょうか? 興味ある問題ですが、漢文訓読がいつごろから始まったかは明らかではありません。応神天皇の15年(西暦284年)に、百済(くだら=当時朝鮮半島にあった国)から来日した王仁(わに)によって、『論語』と『千字文』がもたらされた時、すでに訓読の方法があったという説さえあります。 それはありえないとしても、推古朝にはすでに漢文訓読が行われていた形跡があります。奈良時代末期から平安時代になると、仮名や「ヲコト点」、返り点などを漢文に直接書き込んだ「訓点資料」が現れます。これらの「訓点資料」により、当時の訓読がどんなものであったかを知ることができます。 ヲコト点の図 上の図は、『群書類従』の巻四百九十五(第二十八輯)にある『
多層的な情報複合体 「書物」としての『万葉集』は、単純に歌を集めたものではありません。『万葉集』の紙面は、平安時代以降の歌集と比べると、かなり複雑なものとなっています。 【1】巻子本(巻物)としてのフォーマット 【2】歌集としてのフォーマット………これには、まず歌を分類する項目があります。次に、歌については、歌のみが収録されるのではなく、漢文で記された、歌に関わる情報も添えられます。しかも、その書式は、歌によって、さまざまです。 【3】注記………原資料からの注記、編者による注記、さらに後人(奈良時代、場合によって平安初期にまで及ぶ。複数の人々)による注記が、多様な形式で書き込まれています。 『万葉集』は、多層的な情報複合体となっています。 以下、『万葉集』原本の紙面に即して、簡単な解説を加えます。(上の写真参照) ①内題(巻首題)【1】 ・中国文化圏における、正式な「書物」である巻子本では
理由の一つは、全体が漢文の本として作られているからです。だいたい万葉集という題名そのものが漢文的です。 分類の、雜歌、相聞、挽歌というのも漢文由来です。 歌の部分だけは、漢文では書けないので(漢詩になってしまう)、万葉仮名を交えたり、万葉仮名だけで書いたりしました。 理由の二つは、当時は、題詞のような内容を充分に表すための日本語の散文が無かったからです。宣命、祝詞などにかろうじて散文らしいものがありますが、とうてい実用になるものではありません。漢文で書いた方が正確にかつ短く書けるのです。 古今集以下は、書名だけは相変わらず漢文ですが、中味はすっかり日本化しています。仮名の発明によって、散文がどんどん書けるようになったからです。題名も、「伊勢物語」など「いせものがたり」ですから、見た目は漢字ばかりでも、よめば完全な日本語です。
by ynng • 2018年7月10日 • 万葉集を読む(5)~山上憶良「日本挽歌 巻五 794~799番歌」(4) はコメントを受け付けていません 前回は「色々な意味での様々なイレギュラーの背景には、これに先立つ「前置漢文」に注目する必要があると言うことなのです」として「続く」としたのですが、よく考えてみると「前置漢文」と言われても大多数の人には何のことか全く分からないので(私も講座に参加して始めて知りました^^;)、それってとても不親切な終わり方だったと反省をしています。 「前置漢文」とは、憶良の「日本挽歌」の前に配置されている「漢文」のことです。 盖聞 四生起滅方夢皆空 三界漂流喩環不息 所以維摩大士在于方丈 有懐染疾之患 釋迦能仁坐於雙林 無免泥洹之苦 故知 二聖至極不能拂力負之尋至 三千世界誰能逃黒闇之捜来 二鼠競走而度目之鳥旦飛 四蛇争侵而過隙之駒夕走 嗟乎痛哉 紅顏共三従長
「お笑い芸人のなかやまきんに君が“本源セミナー”なる謎のセミナーに通っている」という記事がこの2ヶ月ほどの間に『週刊ポスト』と『週刊文春』にそれぞれ掲載されている。 ポストの5月の記事ではセミナーの内容のエキセントリックさに焦点があてられていたが、今週の文春ではこのセミナーによって人間関係が破壊されるような被害が伝えられていて、記事の内容に深刻さが増している。 世の悪いことは妖怪が引き起こしており、その妖怪を退治できるのはセミナーの主催者のみ。 具体的な妖怪の例として、 ・サントリーの商品 ・ハーゲンダッツ ・妖怪ウォッチ ・ポケモン ・鬼滅の刃 ・ゲゲゲの鬼太郎 ・烏龍茶など「龍」の字のつくもの全般 があげられており、セミナーではそれらの商品を持っていた人にそれを踏みつけさせるようなことがされている。 また、自分を苦しめている「妖怪」の名を紙に書き、それを破って踏みつけるという妖怪ビリビ
2大取次の日販(日本出版販売)とトーハンの2023年度決算が発表された。日販は減収減益の赤字決算、トーハンは減収増益の黒字決算ではあるが、両社ともに本業である取次事業は赤字だ。 日販は「課題とその背景」として、①書店売り上げの減少、②コスト効率の悪化、③運賃の上昇を挙げている。なかでも書店売り上げの減少の背景には、店頭売り上げの減少や書店閉店の加速だけでなく、客数の減少がある。同社のPOSシステム導入店舗約300店の実績で見ると、新型コロナウイルス流行前の2019年を100とした場合、23年は75.6%と大きく減少している。客単価は107.7%に上昇しているものの、到底客数減をカバーできるものではない。消費者の書店離れが急速に進んでいる。 日本の近代出版流通は取次を中心に動いてきた。毎日発行される雑誌も書籍もコミックも、そのほとんどは出版社から取次を経由して書店に運ばれ、売れ残ったものも取
今週、世界で最も有名な巨石建造物である英国のストーンヘンジで、珍しい天体現象が観測される。その模様は、グリニッジ標準時6月21日金曜日21時30分(日本時間6月22日6時30分)からYouTubeでライブ中継される。 ストーンヘンジでは、夏至(今年は現地時間6月20日)の日に、その中にあるヒールストーンと呼ばれる岩と中心にあるその祭壇石を結ぶ直線上に太陽が昇ることはよく知られているが、今年は珍しい「major lunar standstill」(月の大停滞)により、月が最も南の地点から昇る。 18.6年に一度起きる現象「月の大停滞」は18.6年に一度起きる現象だ。この稀な事象は、地球と月の傾きが最大になった時に起こり、月の出と月の入りは、地平線上の最北あるいは最南の位置になる(訳注:その前後に月の出入りの位置の変化が止まるように見えることから「大停滞」と呼ばれる)。 ストーンヘンジと「月」
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