29年ぶりに新しくなる常用漢字。パソコンや携帯電話の「変換文化」を背景に難しい漢字も多く盛り込まれたが、学校現場では読み書きの「漢字力」が二極化しているとの指摘も。 読みや字の成り立ちを重視する試みも始まっているが、多くの教師はどこまで教えるか頭を悩ませることになりそうだ。法律や新聞、雑誌などでの使用の目安になるだけに漢字検定などにも波紋が広がる。 「挨拶(あいさつ)」「崖(がけ)」「丼(どんぶり)」……。東京・小金井市の市立小金井第一小では、週1回の朝15分、4〜6年生が漢字学習に励む。教師が黒板に、「循環」など、本来は中学で教わる熟語や新しく加わる常用漢字を書き込んで児童たちが次々と読み上げる。「崖」では読めなくても、「崖の上」と書くと、宮崎駿監督の映画「崖の上のポニョ」を知っている子から「ガケだ」と声があがる。 同小は卒業までに学習指導要領の「配当表」(1006字)に加え、生活でよく