「平和条約へ向けて加速的に」と意気込む安倍晋三首相は21日から訪露する。だが実は北方領土問題において、四島をめぐる現代史が国民には知らされていない。 2017年12月30日付北海道新聞に貴重な記事が載った。タイトルは『ソ連四島占領 米が援助』。ロシア史の大御所、和田春樹東大名誉教授が「北方四島を含む旧ソ連軍の対日作戦を米国が軍事援助していたことは、日本国内ではほとんど知られておらず、発見と言える。四島占領はソ連が勝手に行ったのではなく、米ソをリーダーとする連合国の作戦として行われたということを示している」と談話を寄せた記事を以下に引用する。 「1945年8、9月に行われた旧ソ連軍による、北方四島占領作戦に、米国が艦船10隻を貸与していたことを、根室振興局が米国とロシアの専門家による研究成果などを突き合わせ、明らかにした。米国はソ連の対日参戦に備え、大量の艦船の提供だけでなく、ソ連兵の訓練も