大阪都構想については個別の事情はいろいろあるだろうが、これは政策というより橋下徹氏の信任投票のようなものだった。全国的にみておもしろいのは、Vlogでも説明したように税金を使う世代が政治を決める傾向が鮮明に出てきたことだ。 これは「シルバーデモクラシー」の問題ではなく、デモクラシーの本質的な歪みである。今回は一つの問題についての住民投票というわかりやすい形で出てきたが、国政の歪みはもっと複雑で困難だ。1100兆円の政府債務と800兆円の年金債務を抱えて社会保障の削減は絶対さけられないのに、それを提案する党が与野党に一つもない。 日本の政治家は、個人後援会を通じて地元利益を吸い上げる受益者の代表になってしまい、納税者を代表する党が育たない。自民党という受益者集団が圧倒的多数で、それ以外の野党が(民主党も含めて)泡沫政党になってしまった。政党政治は本来、民意をグループにまとめる制度なのに、日本
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