ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (22)

  • 完璧過ぎる結婚式がニッポンをダメにする

    今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [6月24日号掲載] 日の6月はあまり好きではない。毎年この時期には、少し落ち着かない気分になる。梅雨がやって来るからではない。むしろ雨が多いイギリスの故郷を思い出すし、満開のアジサイに小雨が降り注ぐ光景はこの上なく日的で美しい。 私が6月が苦手なのは、結婚式シーズンだから。日の伝統的な「欧米式」結婚式ほど耐え難いものはない。 この時期はいつも、郵便受けにこじゃれた封筒が入ってないかとビクビクする。子供がめでたく結婚することになったので、式に来てほしいという内容のアレだ。これが届いたら、もう逃げられない! 日結婚式が耐え難い要因は複数ある。まずは身体的苦痛。日の夏に黒いスーツを着るのは拷問に等しい。次にキリスト教を装った結婚式に加わるという信仰面での苦痛。私自身、多くのカップルに祝福を与える「週末神父」をやらないかとスカウトされたこ

    完璧過ぎる結婚式がニッポンをダメにする
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    unamu_s 2014/07/09
    主張はわかる。でも無理に日本に合わせず出席を断ればいいんじゃないかなと思う。「信仰面での苦痛」という立派な理由もある。式には出なくても心のこもった贈り物を届ければ日本人も喜ぶかもしれない。
  • 「忘れられる権利」の行使にグーグルがしっぺ返し

    ヨーロッパで下されたグーグルに対する「忘れられる権利」判決。これを巡って、予想した通りの混乱と同時に面白い事態が起こっているようだ。 周知のように「忘れられる権利」は、グーグルの検索結果に表示される報道の内容を適切でない、すでに無効、あるいは大袈裟であるといった理由で、表示されないようリンク削除を求める権利のこと。 もともとスペインの男性が起こした訴訟に対して、さる5月にEUの司法裁判所が判決で認めたのが最初だ。この男性は、1998年に地元新聞でローンの滞納によって自宅が差し押さえになった件が報じられたが、それが支払いを済ませた今も検索結果に表示されるのを不服とし、個人として自律的な生活を営むことが阻害されていると訴えていた。 この判決が下ってから、グーグルには7万件の削除要請が寄せられているという。そして、グーグルはごく最近になって削除作業を開始したようだ。しかし、この判決が起こす混乱は

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    unamu_s 2014/07/09
    グーグルでなく記事元に言えというのはわかるけれど、「上記2件について小気味よさを感じるのは私だけではないだろう」というのは違和感。自分がそういう立場になったときのことをあまり考えていない気がする。
  • 外国人労働者の受け入れを恐れるな

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔6月3日号掲載〕 日はもっと多くの外国人を受け入れるべきなのか? 日人なら誰もが、このままでは日が深刻な人口減少に見舞われると分かっている。なかでも問題なのは労働力の不足だ、ということも。 日政府は女性が子供を産みやすい環境を作ろうと手を尽くしているが、人口減少をい止めるほどの効果は得られないというのが専門家の一致した見解。残された道は、好むと好まざるとにかかわらず、移民の受け入れしかない。 だが日は、これを拒否し続けてきた。OECD(経済協力開発機構)によれば、2010年、日の人口に外国人が占める割合はたった1.7%だった。しかも世界中でグローバル化が進むなか、現在の日における在留外国人数は2010年時点よりさらに減少している。 少なくとも日は、多くの国々と同じように二重国籍を認めるべきだろう。なぜ日は、日産自動車を窮地から救っ

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    unamu_s 2014/06/18
    別に外国人家政婦でもいいとは思うけど、それは富裕層の話であって自分には関係がないというのが正直な印象。
  • 教師は自分の子供の入学式を優先すべきだ

    今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [5月27日号掲載] 私は4人の子供を地元の公立学校に通わせている。だから学校教育に関する議員や教育委員らの意見が気になるのは父親として当然のことだ。 私が住む県で最近、新1年生を担任する高校教師が入学式を欠席し、自分の子供の入学式に出席するという出来事があった。この選択に対する県議や教育委員会の反応に、私は違和感を覚えた。 教師が欠席した入学式に来賓として来ていた県議は、「担任の自覚」や「教師の倫理観」を問題にした。教育委員会の担当者は「教員としての優先順位を考え行動する」ように求めた。 近所に住むフランス人の友人は子持ちではないが、この反応にひどく失望していた。日出生率が低いのも当然だ、と彼は怒って言った。「職務は家族より大事というのが行政の公的立場なら、子供を持つ親が増えるわけがない」 日人の倫理観の根底にあるのは、義務や役割を果た

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    unamu_s 2014/06/03
    「職務は家族より大事というのが行政の公的立場なら、子供を持つ親が増えるわけがない」
  • 日本の学校教育に足りないのは万年筆だ

    今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [3月25日号掲載] 娘が小学校を卒業するお祝いに、万年筆を贈ることにした──友人からある日、そう聞かされた。なんて素晴らしい選択だろう。彼女の娘の将来の夢は、総理大臣になること。世界の指導者は条約に署名するのにボールペンやシャープペンシルを使ったりしない。早くから練習しておくに越したことはないではないか! とはいえ友人いわく、万年筆はいつでも使えるわけではない。彼女の娘も、授業や宿題に使えるのはシャープペンシルだけだ。なんてもったいない。万年筆を教育現場に取り入れれば、産業界が直面する革新性の行き詰まりから出生率の低下まで、日の差し迫った社会問題の解決につながるかもしれないのに。 私はよく、初めて日に来たときの最大のカルチャーショックは何だったかと聞かれる。べ物?お辞儀? を脱ぐこと? いや、実は10代後半の若者が授業で鉛筆を使ってい

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    unamu_s 2014/03/31
    「鉛筆書きのきれいなノートでは、何を間違えてどう直したかは分からない。発見と理解のプロセスが記録されていないのだ。」
  • 忙し過ぎる夏休みが子供の可能性をつぶす

    今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [10月1日号掲載] 長い夏休みが終わって、2学期が始まった。日中の親たちから安堵のため息が聞こえてくるようだ。そして、子供たちの安堵のため息も──楽しい夏休みが終わってしまったというのに、子供たちがほっとするのはなぜ? まず私が日の夏休みで驚いたのは宿題の多さ。ほかにもポスター製作や作文コンクールへの応募が奨励され、部活の練習にも駆り出される。さらには林間学校や臨海学校、博物館見学にラジオ体操......。課題や行事が盛りだくさんのおかげで、子供を楽しませなければいけないという親たちの負担感は減り、子供も長い自由時間を有効に活用できる──。 イングランド北部で育った私の子供時代とは大違いだ。夏休みには宿題はなく、大した予定もなかった。共働き家庭が多かったから大人の目もなかった。私は毎朝、自転車で冒険旅行に出掛け、夕方、両親が帰宅する頃に家

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    unamu_s 2013/10/08
    家族のふれあいよりも大事っていうくらい部活の練習やら試合やらがあったりするんだよねぇ。
  • 「建築のジェノサイド」に気付かない日本

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔9月3日号掲載〕 鎌倉を世界文化遺産に登録しないように──ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)がそう勧告したことを受け、松尾崇・鎌倉市長と黒岩祐治・神奈川県知事は会見で無念さをにじませた。 鎌倉市当局は中世の都市としての「物的証拠が不十分」と指摘されたことを認め、私にこう説明した。人類の遺産として保護する価値があると世界に認めてほしいのは、鎌倉を取り囲む山々とその麓に点在する寺院や遺跡だ。そこに日独自のサムライ文化があると自分たちは考えているが、イコモスにはその意図が十分伝わらず、「武家の古都」とする根拠が不十分だと判断された、と。 黒岩知事は今回の勧告に「目の前が真っ暗になるような衝撃を受けた」と語った。こんな妥当な判断に衝撃を受けているようでは、知事の体が心配になる。そもそも県の誇る珠玉・鎌倉がじわじわ破壊さ

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    unamu_s 2013/09/11
    まぁ確かに高いビルには違和感を覚える。
  • 嫌韓デモの現場で見た日本の底力

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔7月30日号掲載〕 6月30日、私は最近話題になっている嫌韓デモに行ってみた。このデモは東京の新大久保で何年も前から、毎週日曜日に行われているものだ。私は不安を胸に家を出た。自分の身も心配だったが、新大久保の人々のことも、日の対外イメージのことも心配だった。 実は新大久保はサンフランシスコのチャイナタウンやパリの日人街と同じような「観光スポット」だ。外国人にとって、新大久保のコリアンタウンを歩くことは伊勢丹新宿店の地階と同じくらい楽しさと驚きに満ちている。伊勢丹が日がいかに洗練されているかを示しているとすれば、新大久保の街が示しているのは日が外国人に対してフレンドリーで開かれた国であり、他国の文化が生き生きと存在できる国だということだ。 だがデモのせいで、新大久保は日が外国人にとっていかに不快な国になり得るかを象徴する場所となった。嫌韓デモ

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    unamu_s 2013/08/20
    「新大久保の街が示しているのは日本が外国人に対してフレンドリーで開かれた国であり、他国の文化が生き生きと存在できる国だということだ」→なるほどこういう考え方もあるんだなーと思った。
  • 日本の政治も外交もサッカーに学べ

    今週のコラムニスト:クォン・ヨンソク [6月18日号掲載] サッカー日本代表5大会連続のW杯大会出場、おめでとう! 近年の日は「失われた20年」などと言われ、アベノミクスの登場までは暗い雰囲気の時代が続いていた。一方、日サッカーはほかの分野と違って、この20年で飛躍的な成功を収めている。98年までW杯に一度も出られなかった日だが、今では常連国だ。女子サッカーに至っては世界一にまでなった。 この成功要因をきちんと分析し、ほかの分野、とりわけレベルが低いと揶揄される政治や外交の世界にも生かすべきだ。 日サッカー成功の第1の要因は、W杯に出るという明確な目標を設定したことだ。そのため91年にプロサッカーリーグ(Jリーグ)を発足。開幕からは今年で20周年を迎えた。その草創期にはジーコやリネカー、ストイコビッチ、エムボマといった世界的スター選手や、ベンゲル監督のような名将が基礎を固めた。

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    unamu_s 2013/06/26
    サッカーを見習うと決定力に欠ける政治になっちゃったりして。
  • 終電なんか怖くない! 「眠らない東京」大作戦

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 〔5月28日号掲載〕 東京で最悪なこと。それは、酔っぱらいながら猛ダッシュで駅に着いたら、アナウンスが流れて照明が消え、大きなシャッターがガラガラと下りてくること。悲しくて、腹立たしくて、おカネが掛かる夜。私の乗るはずだった終電が新宿駅を出発した瞬間、シンデレラさながら黄金の馬車はカボチャに戻る。 すると昼間の東京ではいとも簡単にできることができなくなり、誰もが途方に暮れる──家に帰れない! 駅員に懇願しても、ネットで検索しても無駄だ。私も試したことはある。終電は文字どおり「最終」の電車なのだ。 だから、東京都の猪瀬直樹知事が都営交通の終夜運行を考えているというニュースを聞いたとき、私は跳び上がって喜んだ。もう大慌てで家に帰らなくても、タクシー代という名の罰金を払わなくてもいい。終電そのものがなくなるのだ。腕時計も着けなくていい。 世界の大都市の多く

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    unamu_s 2013/06/04
    夜遊んでいる人はそう思うかもしれないけどねぇ。
  • 「反韓」ヘイトスピーチを韓国人が慈しむ訳

    今週のコラムニスト:クォン・ヨンソク [5月14日号掲載] 僕の「第三の故郷」新宿・新大久保が3月末、東京いや日で一番ホットな場所になった。韓流の聖地となったこの地で、「在日特権を許さない市民の会(在特会)」による韓国北朝鮮、在日コリアンに対する排斥デモが行われた。さらにそれに対して差別反対を訴える反・反韓国デモも行われたのだ。狭い大久保通りを南北に挟んで対峙する彼らの様子は、まるで日の38度線のようだった。 「嫌韓」は以前から存在した。だが、今回のデモはこれまでネットの中にとどまっていた人々が実際に姿を現し、韓国・朝鮮人に対して「たたき出せ」「殺せ」「ゴキブリ死ね」といったヘイトスピーチを繰り返した点が大きな特徴だ。その差別主義で原理主義的な行動は、平和で優しい日のイメージとはおよそ懸け離れている。 排斥デモに対抗して立ち上がった勇気ある市民は「レイシストをしばき隊」という、ちょ

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    unamu_s 2013/05/21
    「自国中心主義で有頂天になりがちな韓国」→韓国の人でもそう思っているんだねぇ。お互いにもう少し「理性」を持って話し合えたらいいなと思う。
  • 「我慢」と「頑張る」はスポーツや教育に必要か

    今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [3月26日号掲載] 小学生のわが娘は、漢字の宿題をあまりやりたがらない。「子供がやりたがらないことをやらせるにはどんな方法が一番か」という、あらゆる親と教師が直面する根的な問題と、私たち夫婦も格闘している。そんなときは、この国の多くの忙しい親たちと同じように「頑張りなさい」「我慢しなさい」という2つの決まり文句に頼れば楽なのかもしれない。 だが、日ではスポーツや教育に絡んでよく耳にする「頑張る」や「我慢」といった概念に、欧州の人間はやや違和感を覚えるものだ。また欧州の人間は、そうした考え方を子供に強いることと、女子柔道コーチの体罰問題や大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将の自殺問題には因果関係があるように考える。 というのもフロイトや精神分析の影響もあって、欧州の人々は力ずくで子供に何かをやらせたり、我慢させることは不必要どころか、健

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    unamu_s 2013/04/17
    日本の経営者は「グローバルな世界の競争に勝つためには甘えは禁物」みたいなことを言いがちだけれど、外国人がこんな感じなのが何ともフシギ。まぁ「勉強しなさい」くらいは言っちゃいそうだけどね。
  • 携帯電話が奪った「いい店探し」の楽しみ

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ [3月12日号掲載] 数週間前、吉祥寺のスタンドバーでくつろいでいたとき、通りで身を寄せ合う2人の若い女性に気付いた。彼女たちは携帯電話の画面を見て、話し合い、路地を眺め、また携帯の画面に戻り、最後にうなずき合って、ようやく小さな飲み屋の並ぶハーモニカ横丁に入ってきた。 思わずこう叫びたくなった。「早くしろ! 何を怖がっているんだ?」 東京では、まず携帯電話で情報をチェックしてからでないと、どこにも行けない人がたくさんいる。 東京人は冒険心を失ったのだろうか。人々は街中の通りで立ち止まり、行く先を決める前に携帯電話で調べる。私の学生もインターネットで確認するまで喫茶店にすら入らない。 そうすることで選択肢が多過ぎる東京の生活が楽になるのだろう。ネットに載っている店の写真と紹介文を見て、安心するのだと思う。でもラーメンべる前に小さな画像で確認してお

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    unamu_s 2013/03/18
    自分はたいていネットで下調べしてから行くんだけど、いいたいことはわかる。
  • 日本の部活に異議あり! スポーツ「偏愛」の弊害

    今週のコラムニスト:クォン・ヨンソク [2月19日号掲載] スポーツ体罰問題が世間を騒がせている。問題が表面化したことはいいが、「体罰は悪い」の一点張りで、いつもながら根的な問題には触れられていない。 問題の背景には、日独特の過剰な部活文化と、スポーツ選手が英雄視され商品化される「スポーテインメント」の存在、それらを支える日人の「スポーツ依存症」(「スポーツ偏愛症」)がある。 僕は日の部活文化が羨ましかった。目標に向かって仲間が1つになる、汗と涙にまみれた歓喜の青春物語に憧れていた。韓国の青春に部活という2文字はない。進学希望者はひたすら勉強だけで、運動部に所属するのは「選手」を目指す学生だけだ。 だけど日の部活文化にも問題はあった。僕は新宿の中学校のサッカー部員だったが、部員の大半が不良という別世界だった。サッカーが好きで入部したのに、練習はひたすらランニングとうさぎ跳びと玉拾

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    unamu_s 2013/02/25
    「皆が選手になれるはずがないのに、部活はあまりに本格的過ぎる」→同意。いつ勉強したらいいの?と聞きたくなる。
  • 大みそかの長寿番組が映し出す日本の両極

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ [2月5日号掲載] 大みそかの晩になると、毎年「しまった」と思う。商店もレストランも早じまいするのを、すっかり忘れているからだ。大みそかの東京は、SF映画で大災害に襲われた町のように人っ子一人いなくなる。となると行き場は2つ。神社で震えながら初詣の列に並ぶか、暖房の効いた部屋でぬくぬくとテレビの前に座るかだ。 私が日で過ごした最初の年の大みそかは、衝撃体験だった。どうして店が全部閉まってるんだろう。みんなどこでパーティーをしてるんだろう。新年の花火の音を聞いて銀座を歩きながら、私は首をひねった。日の人々が初詣の参拝先かテレビの前に集まっていることを、そのときの私は知らなかった。 昨年の大みそかは家で事をした。家族が初詣に行こうとしないので、テレビの前に集まりNHKにチャンネルを合わせた。大みそかの特別番組を見たことがなかったわけではない。だがい

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    unamu_s 2013/02/12
    「ゆく年くる年」も普通に演出が入っているとは思うけどね。でも「ゆく年くる年」の年が明けるまでの静かな雰囲気は好き。
  • 日本メディアに叩かれた加藤嘉一君への2通目の手紙

    今週のコラムニスト:李小牧 〔12月12日号掲載〕 親愛なる加藤嘉一君へ──。 中国でコラムニストとして活動し、「中国で一番有名な日人」とも呼ばれる君に、このコラム上で「手紙」を書いたのは昨年6月。人生の先輩として、また一人の中国人として、君が日人の耳に届かないのをいいことに、中国で日の悪口を言っていると批判しました。 その後、君は私に直接「今後は李さんの貴重な意見を参考にしたい」というメールを送ってくれました。ただ、残念ながら私の苦言は君の心に届かなかったようです。 先日、週刊文春が「『中国で一番有名な日人』の経歴詐称を告発する」という記事を大々的に掲載しました。加藤君が中国メディアで「東大に合格したが、それを蹴ってあえて北京大学に入学した」と語っていたのは周知の事実。この記事は、それが真っ赤な嘘だということを、君の出身高校への取材で暴いています。君をよく知っている私のところにも

  • 習近平の新時代へ

    とうとう、胡錦濤の時代が終わり、習近平の時代が始まった。5年前の中国共産党の党大会で次期指導者として指導部メンバー入りして以来、その動向が注目され、どのような時代が来るのか、世界中のメディアの憶測を呼んできた習近平。世界の主だったメディアは今回の党大会に先駆けて10月頃から次期指導部を占う予測記事を集中させてきた。 今回習が選出されたのは中国共産党総書記という役職で、完全に胡錦濤の職を引き継ぐのは来年3月に開かれる全国人民代表大会で国家主席に選出されてからである。だが実際にはすでに胡錦濤の陰は一挙に薄くなり、習の動向に人々の目は釘付けだ。前回のこの欄で触れた某ネットユーザーの予測通り、胡は軍の指導権を持つ党軍事委員会トップの職も習に明け渡して「裸退」したため、それも仕方ないが。 実のところその習がどんな人物なのか、まだそれほどよく知られていない。老共産党幹部の子弟「太子党」であることは客観

  • 尖閣問題にも動じない国際都市・東京の日常

    今週のコラムニスト:ジェームス・ファーラー 〔10月17日号掲載〕 9月のある日曜日、と私は娘を初めて都内の中国語学校に連れて行った。この週末のクラスに集まる800人の生徒はほぼ全員、日の公立校に通っており、週一回の中国語の授業は習い事の域を出ない。大半は日人と中国人を両親に持ち、残りは長年、日で暮らしている中国人夫婦の子供だ。中国語の日常会話だけでも身に付けてほしいと願う親の期待をよそに、休み時間の彼らは日語のおしゃべりに忙しい。 付き添いの親の中には、尖閣問題をめぐって高まる緊張への不安を口にする人もいた。だが、話題の中心はお決まりの学習塾や受験の話だった。 多様な文化が入り乱れる国際都市では当たり前の風景だ。私の「故郷」である東京、シカゴ、上海のようなグローバル都市は、エール大学の社会学者イライジャ・アンダーソンの言う「国際人の天蓋」に覆われている。いわば、目に見えない寛容

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    unamu_s 2012/11/12
    「コスモポリタン」を自称するなら世界中どこに行っても「ガイジン」と呼ばれることを覚悟すべきな気もするけれど。「コスモポリタン」なら他のひとより物事がよく見えるってこともないと思うし。
  • 国内事情を優先する観光庁のピンボケ具合

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔10月31日号掲載〕 ニューズウィークに寄稿すると、実に大きな反響がある。昨年8月、私はこのコラムで人気グループ「嵐」を起用した観光庁のキャンペーンを批判した(「嵐がニャーと鳴く国に外国人は来たがらない」)。すると今年の夏、何と観光庁を統括する国土交通省からお呼びが掛かり、次のキャンペーンへの意見を求められた。記者も同席する公の会合だったから、ここで書いても差し支えないだろう。 国全体が鎖国状態にあるような状況下で日に来てくださいと海外に宣伝するのだから、確かに観光庁もツライ立場にある。私が参加した会合の数日前には当の国交省の羽田雄一郎大臣が靖国神社を参拝し、誘致したいはずの中国韓国の人々を怒らせた。観光業が振るわない責任を、観光庁だけに押し付けるのは理不尽だろう。 とはいえ、日を観光立国にできるような名案は今回の会合でも出なかった。広告代理店

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    unamu_s 2012/11/12
    「『シンプルな楽しみ。ユニークな宝』『ユニークな宝。シンプルな楽しみ』という具合だ。観光庁はこの見事なアイデアに、どれだけの金を支払ったのだろう。」→皮肉がきいてるなぁ。
  • 尖閣問題で大騒ぎする中国人の「本音」は

    今週のコラムニスト:李小牧 〔10月10日号掲載〕 歌舞伎町案内人の私が3度泣いた──。に愛人の存在がバレた嘘泣きではない。わが母国の中国と、第二の祖国である日のひどい衝突ぶりに涙したのだ。 日政府の尖閣諸島「購入」に怒った中国のデモが暴徒化して日企業の工場に放火し、日系デパートから時計や貴金属を盗んだ。デモと破壊活動が頂点に達した満州事変勃発日の9月18日前後、私は心配と興奮のあまり、3日間ほとんど寝ずにニュースの進展を見守った。 「趾高気揚(チーカオチーヤン、どや顔)」でひっくり返した日車の上に乗るようなバカな中国人の姿ばかりが目立ったが、マイクロブログ新浪微博(シンランウェイボー)では意外に冷静な意見が目立っていた。それに今回のデモ参加者数は数万人。13億人の全人口から比べれば、0・01%にも満たない。 まったく言い訳できないひどい暴力だ。とはいえ、この問題でなぜこんなに中

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    unamu_s 2012/10/15
    国有化自体はするしかないと思ってたけど、胡錦濤主席のメンツをつぶしたのは正直まずかったと思う。