昨年の今頃は、朝日新聞が「従軍慰安婦」の記事の誤りを認めたことをきっかけに、極右雑誌や産経新聞、それに右翼文化人やネトウヨなどが、一斉に「ついに朝日が誤報を認めたぞ」と狂喜乱舞して勢いづいていた。朝日の記事が載ったのは確か広島原爆忌の前日の8月5日だった。だから昨年は広島も長崎も終戦記念日もかすんでしまった。もともと朝日の訂正記事は、安倍晋三が当時の朝日新聞社長・木村伊量をそそのかして書かせたものだと私はにらんでいる。政治記事のネタを政権に近い読売などにいつも先行されて苦しんでいた木村前社長が安倍政権に取り入ろうとして自滅したというのが私の見立てだ。昨夏は、安倍晋三にとっては右派右派、もといウハウハの夏だったといえる。 安倍晋三が今年8月6日の広島記念式典のあいさつから「非核三原則」を抜いたのも、その戦勝気分がさめやらず、自らの気に食わない上に言い出しっぺの佐藤栄作(安倍晋三の大叔父)自身