次の自殺者が出てしまう 「今は、発注先の大成建設JVに労務管理と安全指導の徹底をお願いしているが、同じような案件が続くと、建設に関係する約800社の実態調査に乗り出さざるを得ない。その時は、工事は一時ストップ、より厳しい建設スケジュールになるだろう」 新国立競技場の発注元である日本スポーツ振興センター(JSC)幹部が、こう険しい表情で語った。月200時間以上の残業など過重労働が続いたとして、地盤改良工事などに従事していた入社1年目の下請け会社の男性社員(当時23歳)が自殺した問題は、労働環境が変わらないまま、「次の自殺」を想定しなければならない事態となっている。 流線的で斬新な「ザハ・ハディド案」の白紙撤回に始まった建設工事の遅れは、「天の声の続出」による解体工事の調整失敗でさらに遅れ、それを取り戻すための突貫工事が続いているために、随所に歪が出ている。朝令暮改は日常茶飯で、2~3時間前の