政府・与党は、科学技術分野での国際競争力を強化するため、総額2700億円に上る研究強化基金の創設を決めた。 世界最先端の研究チームを最大で30件選定し、それぞれに3~5年間で90億円の資金を提供する。1チームあたりの研究費補助金としては、かつてない規模になる。しかも、年度をまたぐ繰り越しなど、一般的な研究費補助金では難しい柔軟な運用を認める方針で、ノーベル賞級の飛躍的な成果の創出を狙う。 この基金創設は、政府・与党の追加景気対策に盛り込まれた。新たな産業や技術分野を切り開くような有望な研究に重点投資して、数年後に世界をリードする領域へと育てる狙い。研究の進展に応じて必要となる人件費や研究費を自由にまかなえるよう、大きな裁量を研究者に与えるほか、独立行政法人などに事務手続きを代行させる仕組みも設け、研究者が研究に没頭できる環境作りを目指す。 現在、1件あたりの規模が最も大きいのは、科学技術振