重力が地球の約3分の1しかない火星でも、ハチはちゃんと飛べる可能性が大きいことが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と玉川大の航空機を使った共同実験で分かった。人類が将来、火星で生活するには、野菜を現地生産する「宇宙農業」が必要で、ハチは農作物の授粉役として火星でも活躍してくれそうだ。 実験に使ったのは、トマトの栽培農家が授粉に利用しているマルハナバチの仲間で、在来種のクロマルハナバチ。今年2月、約30匹を箱に入れて航空機に乗せ、宇宙を模擬した重力環境で飛べるかどうか太平洋上空で実験した。 航空機を急上昇・急下降させることで数十秒間、重力の小さい環境をつくり、ハチの挙動を観察。その結果、無重力の状態では壁にぶつかることが多く、うまく飛べなかったが、火星と同じ低重力では、体を制御しながら飛んでいた。 低重力を経験したハチは、実験を繰り返すうちに飛び方が上達する“学習効果”が表れた。また、空中で