人手不足の深刻さが年々増す日本農業を救おうと、今、外国人政策を大転換する法改正が行われようとしている。国家戦略特区制度を使い、特区内においては外国人の派遣労働による農業就労を認めようとしているのだ。対象となる外国人の就労者は、技能実習制度の修了者などを想定している。 この法案の成立は、何をもたらすか。考えられるのは、2つの大きな変化だ。1つ目は、これまで日本は、原則として「外国人の単純就労者は受け入れない」としてきたが、農業分野では実質的にそれを変えること。2つ目は技術の海外移転という技能実習制度の建前を実質的に崩すことである。実現するための国家戦略特区法改正法案は、5月30日に衆議院を通過し、現在は参議院で審議中である。 日本の農業が人手不足になっている原因は、少子高齢化の進展にある。地方における農業の人手不足について、特区を提案している長崎県を例に出すと、県内の農業従事者数はこの10年
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