「娘は今でも警察や公園に行きたがらず、ひどく傷ついた。なぜ、警察は男性に勝手に名前や住所を教えたのか」と憤る母親=いずれも8月12日、都内で 東京都内の公園で面識のない男性とトラブルになった南アジア出身の40代の女性が、長女(3つ)と一緒に連行された警察署で不当な任意聴取を受けたうえ、同意なしに名前や住所や携帯番号を男性に漏らされたとして、都公安委員会に苦情を申し出た。代理人の西山温子弁護士は「外国人への差別と偏見に基づいた聴取で、人権侵害であり違法だ」と批判した。
新型コロナウイルス緊急事態宣言下での東京五輪開幕まで1週間を切った。東京都では17日まで4日連続で新規感染者が1000人を超えるなど、感染状況は明らかに悪化傾向にあり、大会の中止を求める世論は根強い。だが政府には、状況次第で中止を検討する考えは既になく、このまま開幕を迎える方針だ。 菅義偉首相は16日、政府の東京五輪・パラリンピック競技大会推進本部の会合で「安全安心の大会の実現に向けて最後まで高い緊張感を持って取り組んでほしい」と話した。17日の読売テレビ番組では「たとえ無観客でも、感動を世界に届ける。難局を乗り越えられると発信することに意義がある」と強調した。 15日に開かれた都のモニタリング会議では、新規感染者の増加が今のペースで続けば、五輪閉幕直後の8月11日には直近1週間平均で約2400人に達するとの試算が示された。だが政府高官は「それくらいなら大丈夫。中止はない」と意に介さなかっ
新型コロナウイルス感染拡大中の3月、東京都立学校253校(当時)全ての卒業式で「君が代」が斉唱されていたことが、都教育委員会への取材で分かった。同月2日から全国一斉休校となり、飛沫感染を懸念する学校もあったが、実施を求める都教委の指示に従っていた。専門家は「歌わない教職員の処分が繰り返され、合理的な判断ができなくなっている」と指摘する。 (石井紀代美) 都教委は毎年、都立校や区市町村立校から日の丸掲揚や君が代斉唱の「実施状況報告書」を集めている。本紙が入手した2019年度の都立校の報告書によると、今年3月1日から同月下旬までに卒業式を行った中学、高校、特別支援学校など全校が「国歌斉唱した」と回答していた。 都教委の説明などによると、安倍晋三首相が全国一斉休校を打ち出した2月27日までに、自治体から「飛沫感染防止策として歌わないことを考えている」「歌わないと、服務事故扱いになるのか」などの問
学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部開設を巡り、愛媛県今治市の幹部ら一行が柳瀬唯夫首相秘書官(当時)に面会する直前の二〇一五年三月、首相官邸側から文部科学省に「愛媛県や今治市、加計学園の関係者が近く首相官邸を訪問する」と伝えていたことが十一日、文科省関係者への取材で分かった。 一行が一五年四月二日、柳瀬氏と面会した記録文書について、愛媛県は担当者が作成したと認めている。柳瀬氏は「自分の記憶の限りでは、県や市の方に会ったことはない」としているが、文科省関係者の証言で県文書の信ぴょう性があらためて裏付けられた。 文科省関係者によると、一五年三月、官邸側から「近く県や市、学園の関係者が官邸に来ることになっている。官邸で誰が対応し、どういうスタンスで答えるのがいいか、文科省の考えを参考にしたい」と文科省側に連絡があった。同省側は「特区として対応すべきではなく、全国レベルの問題として考えるべきだ」
厚生労働省は、配偶者と死別・離婚した寡婦(寡夫も同じ、以下略)への経済的支援の一部を、未婚のひとり親も受けられるよう、六月から政令などを改正する。保育料や医療費など計二十五分野が対象。それでも未婚だと支援を受けられない分野は多く、専門家は法改正による抜本的な「格差」解消を求めている。 (編集委員・上坂修子) 寡婦は所得税法で、配偶者と死別または離婚して扶養親族がいる者などと定義されている。所得税には寡婦控除があるほか、所得を基に算出される住民税や保育料なども軽減される。結婚せずに出産したひとり親は、同法上の「寡婦」に該当しないため、支援が受けられない。 同じ「ひとり親」の不公平を解消するため、一部の自治体では未婚でも寡婦とみなして独自に支援をしている。厚労省も、所管する分野から▽保育料の軽減▽難病医療費の自己負担軽減▽看護師資格などを取得する際の給付金増額-などで「みなし寡婦」の手法を採用
「伝統的な子育てで発達障害が予防できる」。およそ科学的根拠を欠いた主張と時代錯誤の家族観を掲げる「親学」はたびたび物議を醸してきた。これが安倍改造内閣の教育論議の焦点に浮上しかねない。超党派の推進議員連盟が発足した当初の会長は安倍晋三首相、事務局長は下村博文文部科学相、さらに新入閣した山谷えり子拉致問題相や有村治子女性活躍相も有力メンバーなのだ。議連は、親学を具現化する議員立法の提出を目指している。もし成立を許せば、女性の活躍どころではない。 (篠ケ瀬祐司、鈴木伸幸) 【こちらは記事の前文です】 記事全文をご覧になりたい方は、東京新聞朝刊または、携帯電話の有料会員サービス「東京新聞・東中スポ」をご利用ください。 東京新聞は、関東エリアの駅売店、コンビニエンスストアなどでお求めいただけます。 「東京新聞電子版」なら全国どこでも、また海外でも、記事全文が紙面ビューアーでご覧いただけます。
安倍晋三首相は二十日の衆院予算委員会で、教育改革に関し「教育基本法は(第二次大戦後の)占領時代につくられたが、衆参両院で自民党単独で過半数をとっていた時代も手を触れなかった。そうしたマインドコントロールから抜け出す必要がある」と意欲を示した。 安倍晋三首相は二十日の衆院予算委員会で、戦後に長く教育基本法を見直さなかったことを「マインドコントロール」と表現し、教育改革に意欲を示した。 首相は第一次安倍内閣で掲げていた「戦後レジーム(体制)からの脱却」とのうたい文句について「あえて使っていないが、捨てたわけではなく、変わらない」と強調。「憲法や教育制度を私たちの手で変えていくことこそが、戦後体制からの脱却になる」と力説した。 憲法については「(戦後の)占領時代につくられ、時代に合わない仕組みもある。不磨の大典ではない」と述べた。政府・自民党は今国会で、自治体の教育委員会のあり方を見直す関連法改
安倍晋三首相は十二日の衆院予算委員会で、集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更をめぐり「(政府の)最高責任者は私だ。政府の答弁に私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける」と述べた。憲法解釈に関する政府見解は整合性が求められ、歴代内閣は内閣法制局の議論の積み重ねを尊重してきた。首相の発言は、それを覆して自ら解釈改憲を進める考えを示したものだ。首相主導で解釈改憲に踏み切れば、国民の自由や権利を守るため、政府を縛る憲法の立憲主義の否定になる。 首相は集団的自衛権の行使容認に向けて検討を進めている政府の有識者会議について、「(内閣法制局の議論の)積み上げのままで行くなら、そもそも会議を作る必要はない」と指摘した。
「長崎平和宣言」を読み上げる田上富久長崎市長=9日午前11時7分、長崎市の平和公園で(内山田正夫撮影) 首相の目の前で、痛烈な政府批判を展開した。九日の長崎市の平和祈念式典で田上市長は、「核兵器の非人道性に関する共同声明」への不賛同やインドとの原子力協定を挙げ、国への疑念を表明。心中にはスイスで感じた政府へのいら立ちがあった。
入試問題が試験中にインターネットの質問サイトに投稿された問題で、早稲田大が二月十二日に文化構想学部の英語を受験した九千九百三十五人について、答案とサイトに書き込まれた内容を照合する作業を始めたことが分かった。同様の問題があった京都大、同志社大、立教大も照合を検討する方針。 試験問題は、試験会場から受験生が単独か外部の協力者などを通じて携帯電話で投稿されたとみられる。回答が受験生に伝えられ、受験生がそれを答案に書いた可能性がある。このため早大などでは、質問サイトの回答と答案を照合することで試験問題を流出させた受験生が特定できる可能性があると判断した。 早大によると、照合作業は内部調査委員会が主導し、すべての答案を精査する。不審な受験生がいなかったか、試験会場で監督員を務めた教職員や大学院生ら約四百六十人からも聞き取る。「入試問題流出により、大学の入試制度に対する社会への信頼が妨害された」とい
関東大震災を教訓に建てられた「復興小学校」の最初期の一つ、東京都中央区立明石小学校(同区明石町)校舎の解体工事が十日、始まった。日本建築学会が「国の重要文化財に相当する」と評価し、研究者や卒業生らは工事の中止を求めていたが、区は予定通りに計画を進めた。 建て替えによる新校舎は、二〇一二年七月に完成する予定で、事業費は四十七億二千万円。校舎は現在の基準でも耐震基準を満たしており、建て替えの理由について、区は「教育環境の向上」と説明している。 同日、校内の不要物を撤去したり、校庭の木を切ったりする作業に着手。今月下旬には工事用通路を確保するため、半円形の窓や列柱が特徴とされる玄関などが取り壊される見通し。復興小は、旧東京市が大正末期から昭和初期にかけ百十七校を、耐震性に優れた鉄筋コンクリートで整備。現在、他の施設に転用されたものも含めて十九校が現存し、うち十校が同区に集まっている。(東京新聞)
若手の論客として知られた新井将敬という政治家がいた。東大卒、旧大蔵省のキャリア官僚出身のエリートだったが、株取引での利益供与を要求した証券取引法違反容疑が浮上し、衆院が逮捕許諾の議決をする直前に自らの命を絶った▼在日韓国人として生まれ、十六歳の時に日本国籍を取得した新井氏は一九八三年に旧衆院東京2区から初出馬、落選した際に悪質な選挙妨害を受けた。選挙ポスターに「元北朝鮮人」などと書いた黒いシールを大量に張られたのだ▼それを思い出したのは、永住外国人への地方参政権付与に反対する集会で、石原慎太郎東京都知事が「(帰化した人や子孫が)国会はずいぶん多い」などと発言したからだ▼選挙区内の新井氏のポスターにせっせとシールを張って歩いたのは、同じ選挙区の現職だった石原知事の公設第一秘書らだった。「それ(帰化)で決して差別はしませんよ」と集会で知事は語ったが、彼の取り巻きが過去にしでかしたことを思い起こ
大阪府島本町の広瀬遺跡で、鎌倉時代の後鳥羽上皇(1180〜1239年)が造営した水無瀬離宮跡とみられる建物跡の一部が見つかり、同町教育委員会が22日、発表した。 離宮には後鳥羽上皇に命じられ新古今和歌集を編さんした藤原定家らも招かれ、上皇自らも和歌づくりを楽しんだとされる。町教委は「院政を行う役所的な意味もあったのではないか」と推測している。 見つかったのは四つの柱穴(直径約30センチ)や鎌倉時代前期(12〜13世紀ごろ)とみられる瓦の破片約600点。 柱を立てるための礎石は残っていなかったが、礎石の周囲を固める根石と呼ばれる石が残っていた。柱穴は1辺4・2メートルの正方形の四隅にあったが、建物の規模は不明。 瓦は小型で実用的でないことから、屋根はかやぶきで、部分的に瓦が使われたとみている。 建物跡から約4メートル北側には人頭大の石が敷き詰められており、せり出した屋根の雨水を受ける溝だった
外側を瓦で保護された講堂遺構の基礎部分を調査する発掘調査員(今年11月撮影、国分寺市教育委員会提供)=同市西元町1で 国指定史跡・武蔵国分寺跡僧寺地区(国分寺市西元町一)を歴史公園として整備中の国分寺市は二十三日、同地区の中心建物の一つである講堂跡の遺構発掘現場見学会を開催する。昨年度から発掘調査を実施しているが、公園整備に向けて来年から埋め戻すため、遺構の生の姿が見られる最後のチャンスになるという。 (萩原誠) 市によると武蔵国分寺は奈良時代の八世紀中ごろ、当時の聖武天皇が全国に国分寺・国分尼寺の建立を指示したのを受けて創建。大規模改修を経て一三三三年の分倍河原の合戦の際に焼失したとされる。一九二二年に国の史跡に指定された。
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