感染症の話トップページへ 2003年第24週号(2003年6月9日〜6月15日)掲載 ◆コクシジオイデス症 人や物資の世界的規模の交流により、今まで我々に無縁と思われていた病原性の強い微生物による「輸入感染症」の危険性が高まっている。微生物感染の中で皮膚糸状菌症以外の真菌症はヒトからヒト、動物からヒトへの直接感染は否定されており、この「輸入感染症」の対象から外されていた。しかし、真菌症でもコクシジオイデス症(coccidioidomycosis )の病原性はペストに相当し、極めて強い。本症は4 類感染症全数把握疾患に指定された唯一の真菌症である。 疫 学 コクシジオイデス症は米国西南部(カリフォルニア、アリゾナ、テキサス、ネバダ、ユタの諸州)、メキシコ西部、アルゼンチンのパンパ地域、ベネズエラのファルコン州の半乾燥地域の風土病で、渓谷熱(valley fever)、砂漠リューマチ(de