前回は「遠くの親戚」がトラブルの元になるという話をしました。トラブルになるというほどではありませんが、「遠くの親戚」以外にも、医師患者関係の妨げとなるものがあります。素人の善意のアドバイスが治療方針に大きな影響を与えてしまうことがあります。 例を挙げましょう。慢性C型肝炎のAさんの治療が近所のおばさんのアドバイスによって中止になったことがありました。 インターフェロン療法は慢性C型肝炎の標準的な治療です。うまく治療に成功して体からC型肝炎ウイルスを排除することができれば将来肝がんになったり、肝硬変になったりする危険がかなり減りますが、副作用はありますし、うまくウイルスを排除できないこともあります。 外来でAさんに対してインターフェロン療法のメリット、デメリットを説明し、同意を得て入院の日時まで決まっていました。しかし、入院日も近くなったある日、Aさんが入院をキャンセルしたのです。その理由は