亡命 遥かなり天安門 翰光・著(Amazon) 2008年6月。米国ワシントンDCの国会議事堂前広場に、数百名の中国人が集まった。天安門事件の19周年記念集会を行うためだ。呼びかけ人は「公民力量」(Citizen Power)という在米中国人組織の代表・楊建利と、天安門事件当時学生リーダーだった王丹、作家の鄭義らだった。彼らはさらに中国大使館までいき、無反応に沈黙を守る建物の前で抗議のスピーチと、自作の詩を朗読して意思表示を行った。 スピーチの中で、楊建利はかつて獄中で知り合った20歳の青年のエピソードを語った。青年は微罪にもかかわらず、見せしめ厳罰のキャンペーン取締りにあい、死刑判決を受けた。刑の執行の直前、彼はこう言ったという。「今度生まれるときは、よく目を見開いて、もし中国の国旗が見えたなら、私は出生を拒否します。」(p.9) 本書は天安門事件のために母国を追われ、アメリカをはじめ世