→紀伊國屋書店で購入 「アンダークラスの怒りを鎮めることは可能か」 講演の仕事のために移動中の博多行きの新幹線で本書を読んでいた。その日に、佐世保で乱射事件が発生、翌日「犯人が自殺」という朝日の号外を読みながら浜松に戻った。 本書の後半では、格差社会で低所得者層に位置づけられるアンダークラスの若者たちが、犯罪という形でその怒りを暴発させ、自壊していく様子も表現されていたため、佐世保乱射事件とシンクロしながら読むことになってしまった。乱射事件では犯人が自殺。真相は藪の中だが、ストーカー的な動機によるものと新聞報道されている。読書と現実が模倣しあうような感覚。苦い読書体験である。 本書では、日本社会のなかで急速に格差が拡大し、フリーター、派遣労働者という非正規雇用労働者の階級---アンダークラス---に属する人たちが増えていることがデータによって示されている。ここまでは、格差社会を論じる類書と