赤木智弘「『丸山真男』をひっぱたきたい」に言及しようかと迷いながら半年が過ぎた。赤城さんは、もうこんな日本は最悪だから、戦争するしかない、みたいなことを綴っている。しかし、最後の部分はこうしめられている。 しかし、それでも、と思う。 それでもやはり見ず知らずの他人であっても、我々を見下す連中であっても、彼らが戦争に苦しむさまを見たくはない。だからこうして訴えている。私を戦争に向かわせないでほしいと。 しかし、それでも社会が平和の名の下に、私に対して弱者であることを強制しつづけ、私のささやかな幸せへの願望を嘲笑いつづけるのだとしたら、そのとき私は、「国民全員が苦しみつづける平等」を望み、それを選択することに躊躇しないだろう。 赤木智弘「『丸山真男』をひっぱたきたい」『論座 2007年1月号』朝日新聞社 私は、この部分を読んでこけそうになってしまった。甘ったるいやさしさ。なんだかんだ言って、他