8.ナショナリズムとしての近代社会 18世紀から21世紀の今日にいたるまで、ナショナリズムの時代であると言えます。 ナショナリズムとは「政治的な単位と民族的(文化的)単位とが一致すべきだとする政治的原理」です(ゲルナー)。 たとえば、日本語を話す文化的なまとまりがそのまま「日本国」という政治的なまとまりをなしている日本という国家は、まさにナショナリズムを体現しているわけですし、朝鮮語を話す文化をもつ人びとが、朝鮮人民共和国(北朝鮮)と大韓民国(韓国)とに分裂しているのはまちがっている、なんとしても統一されるべきだ、というのは、朝鮮のナショナリズムなわけです。 このように文化的なまとまりを「民族」nationとよび、そのまとまりが国民となって、ひとつの国家stateを形成しているとき、それを「国民国家」nation-stateとよびます。 「民族」と呼ぶと、古来からあったもののように思えるが