フランスの北東部にエペルネという街がある。特急の乗換駅で、葡萄畑に囲まれた田園地帯の小さな都市だ。ところで、あまり知られていないことだが、このエペルネは首都パリを追い抜いて、住民の平均所得が全仏で一番高い、豊かな街なのである。 なぜこんな田舎の町が豊かなのか。それは、このエペルネが、シャンパーニュ地方の中心の一つであり、モエ・エ・シャンドンをはじめとするシャンパンの有力ブランドのメーカーを多数抱えているからだ。 シャンパン工場は見学するとなかなか面白い。瓶内発酵をさせるため、貯蔵庫は岩盤をくりぬいた半地下にあって、温度・湿度の変化を避けている。しかも、BOM(部品表)の観点から見ると興味深いことに、シャンパンは製品の一部を、次の年度の製品仕込みのための原料に使っている。BOMにリサイクルがある、「Q型」の構造をしているのだ。これは毎年の品質を一定に保つための知恵である。 法律で決めた産地呼
![モノを買うのか、機能を買うのか | タイム・コンサルタントの日誌から](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/29613ed48da703225b2d49a3c17fab182db792b8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpds.exblog.jp%2Flogo%2F1%2F200508%2F25%2F47%2Fe005844720050825233346.jpg)