「福島について覚えておかなきゃいけないことを、ちゃんと覚えておかなきゃいけない」。糸井重里さんと開沼博さんの対談、第2回では、お二人が福島の「事実認定」について考えます。福島のこと、「届かない人には届かないんじゃないか」と懸念していたという開沼さんに対し、糸井さんは広島の風化がヒントだと言います。風化してはいけない事実とはなんなのでしょうか。 低いところで会いましょう 糸井重里(以下、糸井) ぼくも『知ろうとすること。』をつくるとき、共著者の早野龍五先生は、しゃべろうと思えばいくらでも高度な話ができる、「そんなの知らなかった」の話ができる方なんです。でも、そのおもしろい話は本の「ごちそう」として、ところどころで語っていただく程度にして。それよりも、みんなが「そんなの知ってたよ」と思っている部分について、時間をかけて話していただいたんです。 開沼博(以下、開沼) ええ、そういう本ですよね。