インターネット上の掲示板「2ちゃんねる」で反響を呼んだプログラマーの物語が今月27日、新潮社から「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」のタイトルで刊行される。雇用が不安定になり、小林多喜二の「蟹工船」が若者に受ける中、過酷な労働状況や、働く意味を問いかけるネット発の“文学”として注目を集めそうだ。 この物語は、昨年11月から12月にかけ、「2ちゃんねる」に書き込まれた。地方都市で働く男性が、プログラマーとして入社した当時の激務体験を振り返ったもの。高校中退後、10年近くニートだった主人公の「マ男」が、母の死をきっかけに就職したが、その会社は責任感のない上司や、無能な同僚がいる「ブラック会社」(問題企業)だった。納期に向けて残業を繰り返す「デスマ(デスマーチ)」と表現される激務をこなし、優秀な先輩に励まされながら、元ニートの「マ男」は少しずつ社会性を身につけていく。 当初