「お兄ちゃん!お母さんの心臓が止まっちゃった!」 妹からの悲鳴のような声の電話をロンドンで受けたのは2013年1月23日のことだった。 「今すぐ飛んで行くから待ってて!」 パスポートとブラックスーツを持ってヒースロー空港に向かった。 飛び乗った東京行き最終便では一睡もする事が出来なかった。 母はこのまま死んでしまうのか?もう生きている母には会えないのか? つい数日前電話で元気そうな声を聞いたばかりなのに。 涙が溢れて止まらなかった。心が震えて止まらなかった。 あの時ほどロンドンと東京が遠いと感じたのことはない。 成田到着と同時にマネージャーの携帯を鳴らす。 「お帰りなさい!お待ちしていました!」 マネージャーの声のトーンから母はまだ生きている事を知りホッとする。 無事を祈りながら空港から病院に直行。 ICU集中治療室に向かう。 ロビーで泣きじゃくる妹を抱きしめる。 そして母のいる部屋へ。
亡母の喪中につき新年の御挨拶は控させていただきます。 12月。 母の49日に戻れなかったので、100日法要の墓参りは必ずしたいと思い、 娘のスクールの校長先生に日本の亡き人へのセレモニーの説明をし許可をもらい、 冬休みを待たず日本に帰国した。 明くる日早起きをして東京駅から上越新幹線に乗り、生まれ故郷の高崎に向かった。 娘と二人で高崎に帰るのは初めてだ。 烏川のほとりにあるお寺さんに御挨拶に伺う。 幼少の頃、大きなうねりすら感じた烏川は想像以上に小さく、 しかしその向こうに見える山々はあの頃の光や匂いや温度や切なさを全て思い出させてくれた。 妹たちとタクシーで30分ほど離れた霊園へ。並んだ多くの墓から布袋家の墓を探す。 母が入った墓は以前とは違って愛おしく、水をかけて洗う作業も、 なんだかベッドの上の母の手をさするような気持ちに似ていた。 「お母さん、遅れてごめんね。ロンドン、ニューヨーク
『MarkeZine』が主催するマーケティング・イベント『MarkeZine Day』『MarkeZine Academy』『MarkeZine プレミアムセミナー』の 最新情報をはじめ、様々なイベント情報をまとめてご紹介します。 MarkeZine Day
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く