ジャン=フィリップ・ラモーは、J.S.バッハ(1685-1750)やヘンデル(1685-1759)と同世代の、18世紀フランスにおける最大の作曲家及び音楽理論家です。その作品も音楽理論も、後世に多大な影響を与えました。 ルイ15世(1715-74在位)時代ののロココ趣味を反映したラモーのクラヴサン曲は、ベルリオーズやドビュッシー、ラヴェルなどのロマン派~後期ロマン派のフランスの作曲家に高く評価され、18世紀後半から現在まで、研究や演奏が頻繁に行われて来ました。 けれど、ラモーが最も力を注いだオペラの多くは、リュリやシャルパンティエと同様に、20世紀も後半になってようやく再演されるようになり、やっと、録音でも気軽に聴ける状態になりつつあります。 従って、専門家以外の人間が、ラモーの音楽家としての全体像をつかめるようになったのは、ごく最近の事だと言えるでしょう。実際、ラモーがなぜ偉大なのかを具