今から36年前、新響が本日の「改訂版」を初演したプログラム冊子に、当時65歳であった作曲家自身が次のような言葉を寄せている。 作者は、アイヌ語でシャアンルルーと呼ぶ高原の一寒村に少年期を過しました。そこには、未だ多くのアイヌの人達が住んでいて、古い行事や古謡が傳〔伝〕承されていました。 タプカーラとは、彼等の言葉で『立って踊る』と云うような意をもち、興がのると、喜びは勿論、悲しい時でも、その心情の赴くまま、即興の詩を歌い延々と踊るのでした。 それは、今なお、感動を押え得ぬ思い出なのです。 その彼等への共感と、ノスタルヂアがこの作品の動機となっています。(以下略) この一文はその後に頒布されたCDの解説や書籍など各所に引用されているので、どこかで目にした方が多いかもしれないが、作者が少年期を過ごした「シャアンルルー」という地名らしきものが何を意味するか気になっていた。ネットを探せば「十勝平野