ブラック企業、雇い止め、解雇ルールの検討――。いま日本では、働くことをめぐる問題が顕在化し、不穏な空気が漂っている。その反動か、会社に縛られない「ノマド」と呼ばれる働き方に活路を見出す人もいる。このような現状をどう捉えるか。日本人はどうすれば幸せに働けるようになるのか。本シリーズ「『いま、日本で働く』ということ」では、働き方をめぐって考え続けている4名の方にお話を伺っていく。 下北沢に「POSSE」という団体がある。若者が労働相談や政策研究・提言を行うNPO法人だ。設立は2006年6月。非正規雇用の若者が増加し、問題になっていた当時の状況を受け、中央大学法学部で労働法を学んでいた今野晴貴さんが「若者が相談できる場所を作りたい」と考えて開設した。現在は20代の若者40〜50名が中心となって運営し、年間およそ1000件の労働相談を受け付けている。彼らは「いま、日本で働く」ということをどう捉えて