円安の進行で円の購買力が落ち込んでいる。国際決済銀行(BIS)が21日発表した8月の円の実質実効為替レート(2020年=100)は73.19と過去最低となった。長引いたデフレに加え、足元で幅広い通貨に対する円安が進み、実質実効レートが切り下がった。これまで過去最低だった1970年8月(73.45)を53年ぶりに下回った。足元の円安が1ドル=360円の固定相場制だった当時よりも円の価値が相対的に
トリクルダウン理論は「富める者が富めば、貧しい者も自然に豊かになる」という経済に関する仮説で、大企業や富裕層の支援政策を実施する際の論拠として引用されてきました。しかし、先進国で実施されたトリクルダウン関連政策を分析したところ「富裕層がさらに富む効果しかない」ことがわかったと、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究チームが発表しました。 The economic consequences of major tax cuts for the rich - LSE Research Online http://eprints.lse.ac.uk/107919/ Footing the COVID-19 bill: economic case for tax hike on wealthy https://theconversation.com/footing-the-covid-19-b
参議院議員選挙が近づき、れいわ新選組の山本太郎議員がした減税のためなら安倍内閣とも組むとの発言が支持者の間で炎上する一方、立憲民主党が経済政策を発表するなど、経済がニュースになった1週間でした。山本太郎議員は「2%を目指して物価を上げる」を公約にし、立憲民主党は「上げるべきは物価ではない、賃金だ」を公約にしています。どちらが正しいのでしょうか? おまんじゅうが10,000個の経済があったします。1コ100円ならGDPは1,000,000円です。 これが翌年90円に値下がりしたとします。数量が同じであればGDPは900,000円です。物価全体が下がることを「デフレ」といいます。 「名目成長率」はマイナス10%ですが、これは物価が10%下落したからで、それを差し引いて考えた「実質成長率」は0%で、名目成長率<実質成長率となりました。 ところでおまんじゅうの値段が下がれば、同じお金でおまんじゅう
まったく評価できない 日本銀行前総裁の白川方明氏は、2013年の退任以降沈黙を守っていた。だがこの度沈黙を破り、中央銀行について述べた本を上梓するなど発言の場を増やしている。 白川氏は総裁時代、「2%のインフレ目標を金融政策だけで実施するのは困難」としきりに主張していた。そして実際に達成できていない現状を鑑みて、氏の主張を「予言」と見る向きもある。 ただ一方で、リーマンショック以降のデフレ脱却を妨げた張本人との否定的な見方もある。改めて考えるに、白川総裁時代の日銀をどう評価するのが正しいのか。 筆者としては、率直に言って白川氏を評価することはできない。その理由を述べよう。 まず、2%のインフレ目標に関してだが、達成できなかったのは、'14年4月からの消費増税が原因だと言わざるを得ない。というのも、白川氏が否定的だった異次元金融緩和政策によって、インフレ率はいいペースで上昇していたからだ。
<これから再び大きな国民的論議の的になっていくであろう消費税増税。あえてこれまでの消費税増税の影響を検証する> 日本ではこれまで、1989年4月、1997年4月、2014年4月と、3回の消費税増税が実行された。そして、2019年10月には、4回目のそれが予定されている。それを本当に予定通り実行すべきか、あるいは再度延期すべきかは、これから再び大きな国民的論議の的になっていくであろう。 これまでの消費税増税を振り返ると、1989年のそれは、まさにバブルの最中に行われたということもあり、景気への悪影響がほとんど見られなかった。それに対して、1997年と2014年のそれは、きわめて顕著な負のショックを経済にもたらした。1997年の増税は、戦後最大の経済危機をもたらし、その後の長期デフレーションをもたらした。直近の2014年のそれは、1997年の時のような深刻な景気後退にはつながらなかったが、それ
本稿の主張は、表題通り。岩田規久男は副総裁として、リフレの理論にもっともっと忠実に動き、黒田総裁を蹴飛ばしても締め上げても何をしてもいいので金融緩和をますます激化させてほしかったし、それができなかったのは不甲斐ないということだ。リフレ派の理論を十分に実践できなくて、あと一歩のところだけに情けないよ、ということ。おしまい。 で、その理由を簡単に説明しようか。 岩田規久男が、3月で日銀副総裁を退任した。お疲れ様でした……と言う気持ちはある一方で、正直いって岩田規久男が日銀で何をやっていたのか、ぼくにはよくわからない。日銀の政策は基本的に総裁がすべて決めるのであって、副総裁は総裁の方針には反対できないんだよ、と教えてくれた人々もいた。そうなのかもしれない。でも、そうなんですか? 本当にそんなお飾りの、総裁のオウム役でしかないんですか? ぼくにはそれが解せないところだし、不満なところでもある。 リ
今回の選挙では、日本の左派・リベラル派が、安倍自民党と小池新党の改憲・復古主義勢力の前に消滅同然に陥るか、それとも、暮らしの苦しみや不安を抱く多くの普通のひとびとのエネルギーを集めて大きく躍進するかの岐路に立っていると思います。それはひとえに、これらのひとびとの望みに答える経済政策を打ち出せるかどうかにかかっています。 私は今回、民進党が解体していく情勢の中で、「ひとびとの経済政策研究会」で経済政策のマニフェスト案を作り、まだ草稿の段階からあちこちツテを尽くして参考にしてもらえるように働きかけました。それがどのくらい伝わったのかはわかりませんが、もう公示もなされた今となっては、今さらこれ以上各党の掲げる経済政策を左右しようとしても無理でしょう。 ですから、せめて個々の候補者のみなさん、特に、政党に所属せずに、左派・リベラル系の野党統一候補などとして闘っているみなさんにお願いします。本稿にお
日本銀行による「異次元緩和」と「東京五輪開催」という2つの好材料によって、円安・株高や不動産価格の高騰に沸く日本経済。ところが、多くの人々の給料は上がらず、円安の影響などにより、生活必需品が値上がりして、生活は苦しくなるばかり。庶民の多くは、生活が楽になったという実感がないばかりか、貧富の差がますます拡大したと、不満に思っているのが現状だ。 驚くことに、日本はもはや先進国有数の「貧困大国」なのだ。諸外国に目を向けると、貧困問題を背景とした暴動が多発している。そうであれば、日本でも暴動が起きてもおかしくないはずだが、日本では、暴動らしい暴動は起きていない。 ではいったい、それはなぜなのか。『東京五輪後の日本経済』(小学館)を著したばかりの元日本銀行政策委員会審議委員の白井さゆり氏に、その実情を聞いた。 なぜ日本では暴動が起こらないのか 今、世界のあちこちで、デモや集会が暴動へと発展し、警察官
稲葉氏がこう言っていますが、 https://twitter.com/shinichiroinaba/status/880636848271392768 原田発言のどこが問題なのか全くわからない。因縁つけてるやつはみんなバカか悪意があるかどっちか。 本当に心の底からそう思っているならば、稲葉氏も病膏肓に入ったとしか言いようがない。 http://jp.reuters.com/article/haraada-germany-polcy-idJPKBN19K1JT (原田日銀委員、ヒトラーが「正しい財政・金融政策」 悲劇起きた) 日銀の原田泰審議委員は29日、都内での講演で、ナチス・ドイツ総統だったヒトラーが「正しい財政・金融政策をしてしまったことで、かえって世界が悪くなった」と述べた。 原田審議委員は、1929年の世界大恐慌後の欧米の財政・金融政策に言及。「ケインズは財政・金融両面の政策が必
厚生労働省は、27日発表する予定の新年度(平成29年度)の年金支給額について、去年1年間の物価水準が下落する見通しであることを踏まえ、0.1%か0.2%引き下げる方向で検討しています。 これまでの検討では、去年1年間の物価水準が前の年と比べて下落する見通しであることを踏まえ、年金支給額を平成28年度よりも0.1%か0.2%引き下げる方向になっていて、引き下げが決まれば、平成26年度以来3年ぶりになります。 厚生労働省は、0.1%引き下げる場合の1か月当たりの支給額について、国民年金が、満額で67円減って6万4941円、厚生年金が、夫婦2人の標準的な世帯で227円減って22万1277円と試算しています。 一方0.2%引き下げる場合の支給額は、国民年金が、満額で125円減って6万4883円、厚生年金が、437円減って22万1067円としていて、最終的には、26日公表される去年1年間の全国の消費
安倍晋三首相は6月1日、来年4月に予定していた消費増税を2年半再延期し、2019年10月にすると表明した。明らかに公約違反で、道義的にはよくない。しかし、そうでもしないと日本経済がとんでもないことになるのであれば、仕方がない。識者に聞いてみた。 「再延期はない」はずだったが……1日の記者会見、安倍首相はときに両手を振り上げ、ときに早口に、アベノミクスの成果を強調した。 なぜか。消費増税を延期し、それを争点の一つとして戦った2014年12月の衆院選では、「再延期はない」と強調していたからだ。その後、「リーマンショックや大震災級の事態」が起こったときは、消費増税再延期がありえると発言を修正していたが、会見ではこの点も否定した。 「現時点でリーマン級の事態は発生していない。熊本の地震も大地震級とはしない」と延期の条件を満たしていないことを認めたうえで、「世界経済が直面する大きなリスク」があると繰
粉飾決算で上場廃止リーチのENECHANGE(エネチェンジ)、あずさ監査法人に何とかギリギリセーフにしてもらい上場廃止を回避
これで何度目か知りませんが、私はインフレターゲット政策それ自体についてネガティヴなことを言ったことはない、ということを最初に断っておきます。 朝日新聞 2015年2月16日 左派こそ金融緩和を重視するべき 松尾匡・立命館大教授 聞き手(福田直之記者)が疑問をぶつけてそれに松尾氏が答える、という体裁の記事なのですが……。以下、強調はいずれも引用者によるものです。 「人々が将来物価が上がると思えば、名目金利から予想インフレ率を差し引いた実質金利が下がる。そうすれば設備投資が増える。本来は消費が増えて、景気の拡大が支えられるべきだが消費増税のせいであまり期待できなくなった。もう一つは円安の経路だ」 理由はどうあれ、「本来」あるはずの効果が出ていないというわけですね。 「ひどい不況の時、金融緩和で作ったお金は、直接には使われず銀行にため込まれてしまう。だから、そのお金が世の中に回る仕組みをつくるた
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