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ブックマーク / ikedanobuo.livedoor.biz (25)

  • 就職協定を廃止せよ : 池田信夫 blog

    2012年06月10日11:05 カテゴリ科学/文化 就職協定を廃止せよ アゴラで山口さんが書いているが、ユニクロが大学1・2年生10人に内定を出したそうだ。これは初めてではなく、私が去年、ニューズウィークで紹介したときは大反響があり、2000以上のRTがついたが、否定的な意見はほとんどなかった。みんな大学が役に立たないことを知っているのだ。 そのときも書いたことだが、これはユニクロが「大学の役割は入試ですべて終わり、大学教育には価値がない」と判断していることを示しており、それは正しい。少なくとも文科系に関する限り、大学教育は教科書とテレビ授業で十分だ。ゼミには価値があるが、それに特化するなら今の大学制度はやめてアゴラ経済塾のような形でやればいい。 これは世界的な問題である。欧米では修士・博士などの高学歴化が進んでいるが、その研究内容が実務と無関係だという批判が強い。アメリカの競争力の源泉

    就職協定を廃止せよ : 池田信夫 blog
    usukeimada
    usukeimada 2012/06/10
    非常に興味深いのは、池田信夫氏が常々批判しているし思考のプロセスもまったくちがうのに、最終的に内田樹氏と同様に私塾論という結論にいたった点。
  • 宗教を生みだす本能 : 池田信夫 blog

    2012年01月29日10:00 カテゴリ 宗教を生みだす能 宗教は、社会科学の難問である。それは近代的な尺度で考えると何の実用的な意味もないように思われるが、何らかの形の宗教をもたない社会はなく、歴史上の戦争の多くは宗教を争点として戦われてきた。この無意味なシンボル体系が、人々をそれほど強く引きつけるのはなぜかというのは、社会学や人類学の最大の謎である。 デュルケーム以来の社会学では、宗教は人々を統合するシステムだと考えるが、それだけでは未開社会にみられる複雑な儀礼や神話の説明がつかない。機能主義的に考えると、どうみても無駄な部分が多すぎるからだ。レヴィ=ストロースは神話を合理的な思考体系として説明することによって機能主義の限界を突破したようにみえたが、最近の考古学や生物学の発展によって、彼の理論も否定されつつある。 最大の発見は、人類の初期の社会は均衡状態の「冷たい社会」ではなく、

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  • 「きっぱりはっきり」の誘惑 : 池田信夫 blog

    2011年12月13日12:32 カテゴリエネルギー 「きっぱりはっきり」の誘惑 江川紹子氏が、ツイッターでおもしろい考察をしている。きっぱりはっきり明快な意見に、私たちは弱い。とりわけ、自分がかつて経験したことのない状況に陥らされ、今後の展望が見えない不安ではなおのこと。しかも、「それが、あなたのためだ」と親切そうに言われると、そっちの方が信じられるような気分に陥ってしまいがちだ。 今の日、とりわけ福島の人たちは、いわば放射能という見えない檻の中に入れられている状況かもしれない。その中で、当に誠実な人は誰か、長期にわたって自分たちの味方となるのは誰かを見失わないようにしないと。きっぱりはっきり明快な言説が、最後まで私たちのためになるとは限らないから。これは直接には、曖昧な問題に検察が無理に白黒をつけることへの危惧を表明しているのだが、齊藤誠氏のコメントにも通じる。科学の曖昧さや不確か

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  • iモードの成功と失敗 : 池田信夫 blog

    2011年11月23日10:18 カテゴリIT iモードの成功と失敗 夏野剛氏が、ツイッターで怒っている。インターネット業界からドコモに行き、さんざん苦労して世界でも例のないインターネット型携帯サービスを立ち上げたのに、尊敬する方から否定発言されると言うのは当に悲しい。少なくとも2000年代前半にiPhoneは作れなかった。GoogleAppleもさんざん日を研究して作った。これは孫正義氏の次のコメントに対する反論だ。いわゆるiモードというのはインターネットじゃないんですよ。一般のインターネットがさくさくとブラウジングできるようなものでなく、囲い込まれた特殊な画面サイズの特殊なアプリの世界です。「一般のインターネット」の定義にもよるが、iモードはHTTPとHTMLで普通のブラウザからも見えるので、インターネットに入る。せめて「標準的なHTMLではない」ぐらいだろう。これはiモードので

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  • 雇用流動化の最大の障害は「解雇規制」ではない : 池田信夫 blog

    2010年10月11日00:45 カテゴリ経済 雇用流動化の最大の障害は「解雇規制」ではない 朝日新聞によれば、日航空は370人のパイロットに「退職を迫っている」そうだ。労働者がこれに応じなければ整理解雇するとの方針を管財人が示しているので、実行されれば日産以来の大規模な整理解雇となろう。 日経済の長期停滞の最大の原因が労働市場にあるとの認識は、最近おおくの人々に共有されるようになり、解雇規制を緩和すべきだという意見がようやく公に議論されるようになった。しかし実は、法律上の解雇の制限という意味では、日解雇規制はそれほど厳格ではなく、OECDの基準でも平均よりややゆるやかである。 明文の規定としては、民法では解雇自由の原則を定めている。労働基準法では「30日の予告」を定め、組合活動などによる不当解雇を禁止しているぐらいだが、重要なのは労働契約法で解雇権濫用法理が明文化されたことである

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  • 地球温暖化と宇宙線 : 池田信夫 blog

    2011年08月08日17:40 カテゴリ科学/文化 地球温暖化と宇宙線 エネルギー問題を考える時ややこしいのは、地球温暖化という別の次元の問題がからむことだ。再生可能エネルギーが「長期の解」だという人は、これを考えているのだと思うが、彼らの論拠とするIPCCの報告書は科学的に疑問が多い。 以前の記事でも紹介したように、IPCCの売り物だった「ホッケースティック」は捏造であることが明らかになり、その中立性が疑われている。ただ、これまではその問題点を批判する研究が多く、CO2に代わる説明がなかった。書は、その候補を紹介している。それは宇宙線である。 太陽の黒点活動と気温に相関があることはよく知られているが、エネルギーの流入量はそれほど大きく変化しない。だがデンマークのSvensmarkは2007年に、太陽活動によって宇宙線が減るのが原因だという説を発表した。太陽の磁場が強まると宇宙線がそ

    地球温暖化と宇宙線 : 池田信夫 blog
    usukeimada
    usukeimada 2011/08/08
    「人為的温暖化説は統計的な証拠が弱く、因果関係もあやふやだ」「本書によれば太陽活動は減退期に入っており、これから地球は寒冷化するという。あと5年ぐらい様子をみてもいいだろう」
  • 衰退先進国イタリア : 池田信夫 blog

    2010年11月28日11:16 カテゴリ科学/文化 衰退先進国イタリア きのうの記事に、ツイッターで「イタリアに似てきた」というコメントがついたので、おもしろ半分にChikirinの日記の記事を紹介したら、大反響だった。たしかに(政治)ぐちゃぐちゃ。こんな奴が首相でいいのか?と言いたくなるレベル (首都)世界の人が憧れる大都市。ユニークに熟れた都市文化が存在 (教育)この国の教育レベルが高い、などという人は世界にいない (事)世界トップレベルの美味しさ。 世界中でブームが定着といった特徴は、日とよく似ている。しかし最大の違いは、イタリア人はそういう現状に満足しているのに、日人は悲観しているという点だ。自殺率を比較すると、日は10万人あたり24.4人で主要国でトップなのに比べて、イタリアは6.3人で最低。これはカトリックなので自殺の禁忌が強く、自殺を事故として申告するバイアスもある

    衰退先進国イタリア : 池田信夫 blog
    usukeimada
    usukeimada 2011/08/05
    我々にはラテンのノリがなさすぎる……
  • バブルと逆バブル : 池田信夫 blog

    2011年08月02日01:43 カテゴリ経済 バブルと逆バブル 先週、ニコ生の中継をした中村伊知哉さんの研究所は、その昔、富士銀行赤坂支店事件にからんだバブルの遺産だという話を聞いて、久々にあのころの記憶がよみがえった。 これは富士銀行赤坂支店の中村稔という課長が、富士の架空預金通帳を地上げ屋に渡して、ノンバンクなどから総額7000億円以上をだまし取った事件である。彼が逮捕される直前にインタビューしたのだが、そこには有名な政治家の名前がたくさん出ていた(橋龍太郎の秘書がからんでいたのは公知の事実)。 一課長が7000億円もの預金証書を偽造したというのもすごいが、大阪ではイトマン事件では5000億円が闇に消え、尾上縫が総額2兆7000億円という想像を絶する詐欺事件を起こした(ぜんぶ私が取材した)。もちろんバブルはよくないのだが、「あのころの元気はすごかったよね」と赤坂の飲み屋で思い出話を

    バブルと逆バブル : 池田信夫 blog
    usukeimada
    usukeimada 2011/08/02
    「大きなイノベーションが生まれるときは、たいていバブルが起きる」
  • 日本政治の「古層」 : 池田信夫 blog

    2011年07月08日22:50 カテゴリ政治の「古層」 民主党政権のグダグダぶりをみていると、丸山眞男の格闘した問題は日人の永遠の問題だという感を強くする。彼は一般には西洋的モダニストとして知られているが、講義録などを読むと、むしろ「日的なるもの」についての考察が大半を占めている。晩年の有名な論文「歴史意識の『古層』」(『忠誠と反逆』所収)は、彼の日人論の集大成である。経験的な人間行動・社会関係を律する見えざる「道理の感覚」が拘束力を著しく喪失したとき、もともと歴史的相対主義の繁茂に有利なわれわれの土壌は、「なりゆき」の流動性と「つぎつぎ」の推移との底知れない泥沼に化するかもしれない。これは思いつきで消費税やら雇用やら「脱原発」やら、つぎつぎとなりゆきにまかせて看板を掛け替える、どこかの国の首相の行動を描写しているようにみえる。もともと日政治家には原則とかイデオロギーと

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  • コメントをFacebookに一元化します : 池田信夫 blog

    2011年06月08日23:00 カテゴリその他 コメントをFacebookに一元化します 匿名のコメントには非生産的なものが多く、いちいち承認するのも面倒なので、試験的にコメントを受け付けるのをやめ、この記事の下にも表示されているFacebookのファンページだけで受け付けます。FBのアカウントをもっていれば、誰でもコメントできます(「シェア」で書いても、ファンページには反映されません)。TBは今まで通り受け付けます。 追記:Facebookプラグインでコメントできるようになったので、コメント欄を閉じました。ライブドアのスタッフのみなさん、ありがとう。 「その他」カテゴリの最新記事

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    usukeimada
    usukeimada 2011/06/09
    「匿名のコメントには非生産的なものが多く、いちいち承認するのも面倒なので、(・・・)この記事の下にも表示されているFacebookのファンページだけで受け付けます」こうした動きが今後増えていくのだろうか。
  • 大江健三郎氏の犯罪 : 池田信夫 blog

    2011年04月23日15:37 カテゴリ法/政治 大江健三郎氏の犯罪 沖縄の集団自決をめぐって争われた名誉毀損訴訟の最高裁判決で、被告の大江健三郎氏と岩波書店が勝訴した。これまでの経緯を知らない人が、大江氏が正しかったと誤解するのもよくないので、少しコメントしておく。 問題の訴訟は、2007年の記事でも書いたように、赤松嘉次大尉らを集団自決を命じた屠殺者だと罵倒した大江氏の『沖縄ノート』の記述が事実かどうかをめぐって赤松大尉の遺族などが起こしたものだ。これについては曾野綾子氏が現地調査をした上で「事実ではない」と指摘し、大江氏側も問題の記述が伝聞で確認できないことは認めた。 一審の大阪地裁は「軍の命令があったと証拠上は断定できないが、関与はあった」という理由で原告の申し立てを退けた。これは「ノーベル賞作家」に配慮した問題のすり替えである。原告は赤松大尉が集団自決を命令したかどうかを問うて

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  • 東電をどう処理するか : 池田信夫 blog

    2011年04月15日11:07 カテゴリエネルギー 東電をどう処理するか 福島第一原発の事故処理をめぐって激しい情報戦が展開されている。まず問題は原子力損害賠償法の「天災地変」の規定を適用して国が賠償するかどうかだが、無理があるという意見が多いようだ。福島第二も女川も問題がないのに、福島第一だけで事故が起きたのは、東電の設計に不備があったと考えざるをえない。東電は「国の安全基準に従った」と主張し、経団連の米倉会長まで「国の責任だ」とオール財界で応援しているが、霞ヶ関は冷たい。 重要なのは、今回の損害(廃炉と賠償)を東電が自力で処理できるかどうかである。事故で退避した10万人に各300万円を払うとしても3000億円、農畜産物の被害を入れると1兆円を上回る。廃炉のコストも大きく、1基4000億円ともいわれるので、1~4号機の合計で1兆6000億円。ざっくり考えてトータルで3兆円は下らないだろ

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  • 原発の常識 : 池田信夫 blog

    2011年04月05日00:53 カテゴリエネルギー経済 原発の常識 原発をめぐる論争は「枯れた」分野で、ほとんどの論点は80年代までに出尽くした。私も昔、たくさん原発の番組をやったが、そのころと基的な考え方は変わらない。そういうことも知らないで孫正義氏までが古いレコードを再生するのは電力の浪費なので、Togetterでもまとめたが、ここで常識を簡単にリストアップしておこう:軽水炉は工学的には危険である:水を冷却材に使っているので、それが抜けると燃料棒が溶融して炉を破壊する可能性が排除できない。 実際には重大事故は少ない:チェルノブイリ以外にも共産圏では重大な事故が起こったが、西側諸国では作業員が数人死亡する程度の事故しか起こっていない。 死亡率でみると、石油火力や石炭火力は原子力より危険である:採掘だけではなく、燃焼によって大気中に出る汚染による被害も化石燃料のほうが大きい。 環境汚染

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  • 東京に地震が来たら : 池田信夫 blog

    2011年04月02日00:30 カテゴリその他 東京に地震が来たら ツイッターで昔の防災番組の話をしたら大反響があった。妙に不安をあおるといけないので、簡単にまとめておこう。 今回の地震による東京の被害は大したことなかったが、前にも書いたように直下型地震のリスクは大きいので、準備したほうがいい。私は1988年の国土庁の被害想定を取材したが、そのときは15万人の死者の大部分は火災によるものだった。2005年の中央防災会議の被害想定でも、死者11000人の57%の死因は火災である。したがって地震そのものより、火災にそなえることが重要だ。 このとき注意が必要なのは、大地震のときは消防がすべての火災に出動できないということだ。1988年の被害想定では300ヶ所以上で同時に出火すると予想されていたが、東京消防庁が出動できるのはその半分以下なので、最初から見捨てる地域は決まっている(これは部外秘)。

    東京に地震が来たら : 池田信夫 blog
    usukeimada
    usukeimada 2011/04/02
    「2005年の中央防災会議の被害想定でも、死者11000人の57%の死因は火災である」「注意が必要なのは、大地震のときは消防がすべての火災に出動できないということだ」「東京は直下型地震を警戒する時期に入った」
  • セキュリティはなぜやぶられたのか : 池田信夫 blog

    2007年03月07日22:11 カテゴリ セキュリティはなぜやぶられたのか 最初にクイズをひとつ:次のリストは、アメリカで1年間に死ぬ人の死因をランダムに並べたものだが、このうちリスクが最大と最小のものは何だろうか? 1.飛行機事故 2.ハリケーン 3.洪水 4.列車事故 5.ソファ類(引火) 6.保育製品(ゆりかごなど) 7.鹿(自動車と衝突) 答はコメント欄に書いた(書p.45参照)が、当たった人は少ないだろう。これぐらい、リスクの評価というのは主観的なのだ。アメリカ人が1年間に自動車事故で死ぬ確率は1/7500だが、アメリカ政府が数千億ドルを費やしているテロで死ぬ確率は、1/60万だ。今では、これよりも「対テロ戦争」で死ぬ確率のほうが大きい。 変な邦題がついているが、原題は"Beyond Fear"。原著は9・11の後、シリコンバレーのベンチャーはセキュリティがらみばかりという

    セキュリティはなぜやぶられたのか : 池田信夫 blog
    usukeimada
    usukeimada 2011/03/31
    「問題はセキュリティを最大にすることではなく、どういうリスクをどこまで減らすかという目標を設定し、それに必要なコストを計算して、そのトレードオフの中でどこをとるのかという選択なのである」
  • 自動車や石炭火力は原発より危険である : 池田信夫 blog

    2011年03月31日12:30 カテゴリエネルギー 自動車や石炭火力は原発より危険である 自称保守主義者の中島岳志氏が、なぜか左翼系ウェブサイトに「原発に反対してきた理由」を書いている:自動車は普遍的に事故を起こし続けます。日だけでも年間約5000人の命が失われ、多数の負傷者が出続けています。[・・・]しかし、私たちは自動車や飛行機を放棄しません。それは、リスクの存在を前提として、そのリスクよりも利便性のほうが上回るという認識を共有しているからです。しかし、原発のリスクはそれらをはるかに上回ります。一旦事故が起こると(事故の規模にもよりますが)、相当程度の国土が汚染され・・・と内田樹氏と同じような思い込みが続くが、自動車のリスクを「年間5000人」と書くのなら、同じ基準で原発のリスクを比較しないと不公平だろう。日の原発事故の死者は、これまでゼロである。2名の死者が出た東海村事故は核燃

    自動車や石炭火力は原発より危険である : 池田信夫 blog
    usukeimada
    usukeimada 2011/03/31
    「原子力はクリーンなエネルギーである。それが危険にみえるのは、マスコミが原発事故が珍しいので大きく報道するからにすぎない」「人々は絶対値ではなく変化率に反応するから」
  • 内田樹氏のエコ幻想 : 池田信夫 blog

    2011年03月27日10:25 カテゴリエネルギー 内田樹氏のエコ幻想 内田樹氏の記事について論評したら、大きな反響があったので、少し補足しておこう。この記事が前半でいっている「政府や東電の対応が帝国陸軍と似ている」というのはその通りで、私も同じような感想を書いた。しかし内田氏はそこから「すべての原発の即時停止と廃炉」を求めるのだ。その理由を彼はこう書く:[原発は]いったん事故が起きた場合には、被曝での死傷者が大量発生し、国土の一部が半永久的に居住不能になり、電力会社は倒産し、政府が巨額の賠償を税金をもってまかなう他なくなる。原発事故によって失われるものは、貨幣に換算しても(人の命は貨幣に換算できないが)、原発の好調な運転が数十年、あるいは数百年続いた場合にもたらされる利益を超える。これは事実認識として誤りである。今回の原発事故で、人命は1人も失われていない(今後も死者はゼロに近いだろう

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    usukeimada
    usukeimada 2011/03/31
    「民主主義国家が、人々に今より貧しい生活を強制することはできない」それがですね、どこかの首長は花見を自粛しろとか言い出してですね…
  • 失敗の本質 : 池田信夫 blog

    2011年03月29日18:57 カテゴリ法/政治 失敗の質 私がツイッターで紹介したら、アマゾンで26位になった。品切れで読めない人も多いと思われるので、簡単に内容を紹介しておこう。 書は防衛大の教官と野中郁次郎氏が日軍の組織としての欠陥を分析した、戦略論の古典である。その特徴を戦争と今回の原発事故を対比して紹介すると、戦力の逐次投入:戦略目的が曖昧なため戦線の優先順位が決まらず、兵力を小出しにして全滅する――最初から海水を注入すれば炉内の圧力上昇を防げたかもしれないのに、1日遅れでベントを始め、水素爆発してから海水注入を始める。 短期決戦のスタンドプレーを好む指揮官:太平洋戦争は「敵を一撃でたたけば戦意喪失して降伏する」という主観的な見通しで開戦した――原発事故の起きた翌日に首相が発電所に乗り込んで、ベントが6時間遅れた。 補給を無視した人海戦術:太平洋戦争の「戦死者」300万

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  • 福島第一原発について : 池田信夫 blog

    2011年03月12日05:50 カテゴリエネルギー 福島第一原発について 昨夜から出ている原発についての情報が錯綜しており、メディアの報道もミスリーディングなので、簡単に問題を整理しておく。 朝日新聞によると、福島第一原発の原子炉は地震で緊急停止したが、緊急炉心冷却装置(ECCS)が動かなくなった。別の装置で炉心に水を入れて冷やしていたが、午後8時半にはそれも止まったという。ECCSは炉心の温度が上がりすぎたとき、自動的に高い水圧で炉心に冷却水を注入する装置で、これが作動しなくなったというのは重大な事故である。 東電の発表によれば、炉心に注水する隔離時冷却装置は動いていたがこれも停止。停電に加えて非常用発電機もすべて停止し、冷却できない状態になっているという。その結果、格納容器の中の蒸気が過熱して圧力が高まったため、蒸気を放出することになった。メディアはそればかり報じているが、蒸気の放出

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  • 独裁政権はなぜ一斉に倒れるのか : 池田信夫 blog

    2011年02月25日10:21 カテゴリ法/政治 独裁政権はなぜ一斉に倒れるのか チュニジアに始まった中東のドミノ現象は、リビアで最大の山場を迎えている。ムバラクは30年、カダフィは40年以上も続けてきた独裁政権が、なぜ数ヶ月の間に一斉に倒れるのだろうか。これは前にも紹介した協調ゲームの応用問題である(利得a>b>0は対称とする)。 自由独裁自由 a  0 独裁 0  b いま人々が独裁に甘んじているとすると利得はbだが、全員が一挙に独裁に反抗し、政権を倒して自由になれば、利得はaに上がるとしよう。このときナッシュ均衡は複数あり、どちらが焦点(focal point)に選ばれるかは初期値に依存する。パレート効率的なのはaだが、独裁bから出発すると自分だけカダフィに反抗しても殺されて利得は0になるので、独裁政権に服従するbがナッシュ均衡になる。この「恐怖の均衡」が40年間つづいてきたと考え

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