●福島原発は、ほんとうに「だいじょうぶ」なのか? 東京電力福島第1原発の事故については、すでにさまざまなメディアで報じられている。とくに、枝野幸男官房長官による記者会見は、一度ならず見聞きした人は多いのではないか。テレビや新聞の報道にしろ、枝野さんの記者会見での発表にしろ、筆者には疑問に思うことがある。それは、今後の展開に関するシナリオの提示がなさすぎる、という点だ。 政府や東京電力が「だいじょうぶだと、思われる」といって、事態が悪化する。そして、「まだ、だいじょうぶだと、思われる」といって、さらに事態が悪化。原発事故に関する情報の発表がこの“楽観的な見通し”の繰り返しであることは、多くの読者が気づいていることであろう。 そんな状況のなかで、3月25日にネットで放映された『あえて最悪のシナリオとその対処法を考える』(ビデオニュース・ドットコム)を観た。だからといって、筆者には、ここで最悪の