堺市が寄贈を受け保管するBMWなどの外国高級車約50台がほとんど活用されることなく20年間、市内の倉庫に眠っている。市は展示施設を建設する計画だったが、財政難で頓挫。「国内に例のない規模」(外国車ディーラー)というコレクションは、“宝の持ち腐れ”の状態となっている。 同市南区の倉庫に保管されているのは、主に1920年代後半から80年代前半に製造されたドイツ車。BMWでは「世界に1台しか現存しない」といわれる商用車「F79スリーホイーラー」、最高峰スポーツモデル「328ロードスター」、世界で最も美しい一台といわれる「507ロードスター」などが含まれる。 カメラ量販店の創業者、土居君雄さんが長年にわたり収集。1990年に土居さんが死去した後、妻の満里恵さんが、新婚時代を過ごした堺市に93年に寄贈した。当時の評価額は計約3億3500万円だった。