【ブリュッセル=工藤武人】欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は25日、インターネット上の個人情報保護のため、利用者がネット事業者に情報の削除を要求できる「忘れられる権利」を盛り込む法案をまとめた。 違反には最高100万ユーロ(約1億100万円)の罰金が科される。EU域内で活動している世界中の企業が適用対象で、ネットを利用した事業展開に影響しそうだ。施行は、欧州議会と27加盟国の承認を得てから2年後となる。 「忘れられる権利」は、EUが提唱する新しい概念。ネット上の情報を個人では削除しきれないことに対応したもので、法施行後は、利用者が名前や写真、クレジットカードの情報といったデータの削除を求めれば、ネット事業者は、報道目的など正当な理由がない限り情報管理を行うサーバーから抹消しなければならない。