第36回湯布院映画祭で、シンポジウム終了後のパーティーで歓談する曽根監督(左)と光石研(提供・湯布院映画祭実行委員会) ◇映画人列伝 2011年8月26日、大分県由布市で開催された第36回湯布院映画祭のシンポジウム会場にその男が現れた時、どよめきがあがった。 男の名は曽根中生。日活ロマンポルノを支え、一般映画でもヒットを飛ばした監督だ。競艇を描いた「フライング 飛翔(ひしょう)」(1988年)を最後に、ぷっつりと姿を消し、行方が分からなくなっていた。同映画祭で俳優光石研特集が行われ、そのデビュー作「博多っ子純情」が上映されたのを機会に、この作品の監督の曽根が突然、登場したのだ。 ■突然の登場 自らの独立プロダクション「フィルムワーカーズ」が倒産、借金を払えずに夜逃げしたと言われていた。闇金融がらみでトラブルになり、東京湾に沈められた、などという物騒なウワサまで流れていた。 同映画祭実行委員
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