保育士として働いた喜びとジレンマ ――先ほど「私には子どもが必要だった」とおっしゃっていましたが、保育園で子どもたちと接してみていかがでしたか? 小阪 その時の私は、すごく感受性が敏感だったというか……子どもたちの気持ちが、手に取るようにわかったんです。 例えば、「泣いている子は、怒られたのが悲しくて泣いてるんじゃなくて、自分の気持ちを聞いてほしいから泣いてるんだ」とか。 ――子どもたちと心が通じ合った、と。 小阪 そんな感じです。でも保育士は業務量が多くて、子どもたちと接する時間をたくさん取れない“ジレンマ”もありました。 それに保育園は意外と閉鎖的な空間で、毎日同じルーティンの繰り返しなんですよ。子どもたちの自己肯定感や自尊心を高めるためには、幼いうちからもっと多様な人と交流したほうがいいのに……。