マクロビオティックや代替療法の記事では、1977年に報告されたアメリカの食生活指針・マクガバンレポートで「元禄時代以前の日本の食事」を理想としたという話がしばしば紹介されている。その真相を追うシリーズの第3回。 マクガバン・レポートに関するメモ (追記あり) - 火薬と鋼 マクガバン・レポートを巡る伝説 - 火薬と鋼の続き。 過去2回のエントリで、アメリカで1977年に出された食事目標に関する報告、通称"マクガバン・レポート"の日本での紹介のおかしさについて触れてみた。 その後、実際にマクガバン・レポート(マクガバン報告)の日本語訳である『米国の食事目標(第2版) 米国上院:栄養・人間ニーズ特別委員会の提言』(食品産業センター、1980)を図書館で借りることができた。 今回は、このマクガバン・レポート(マクガバン報告)の邦訳を元に、実際のレポートがいかにマクロビオテックや代替療法の世界での
社会産後うつの原因の一つとして「ホルモンバランス」が言われているけども、「ホルモンバランス」ってのもざっくりとした言い回しだなと思ってもう少し調べてみました。 前提となる情報として、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンCRHは精神的ストレスで増加し、名前の通り副腎皮質刺激ホルモンACTHの下垂体からの分泌を促し、副腎皮質刺激ホルモンは副腎皮質から糖質コルチコイドの分泌を促進する。通常ACTHおよびCRHの分泌は糖質コルチコイドからのネガティブフィードバックによって抑制される。なんらかの原因でこのフィードバックが働かなくなって生じる慢性的な糖質コルチコイドの分泌過剰とうつとの関連が指摘されている。 それで、CRHは視床下部から分泌されるのだけれども、それとは別に妊娠している女性の胎盤からは胎盤由来副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン (pCRH)が分泌されている。 妊娠中の血中pCRHを測定すれば産
朝日記事に日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)が反論されています。冒頭に 8月5日付朝日新聞朝刊、社会面にトップに掲載されている1.〜8.の記事内容について、日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)からコメントします。 http://www.asahi.com/national/update/0804/TKY201008040482.html こう書いてあるので間違いないでしょう。○数字はウェブ上では文字化けしやすいので、これを修正している事は御了解下さい。今日は日本ホメオパシー医学協会(長いのでJPHMAもしくはホメパチ協会と略します)の反論にそって解説してみたいと思います。 ■冒頭部 この山口の訴訟については、昨日、第1回の口頭弁論が始まり、JPHMA会員の助産師側は、損害賠償請求の棄却を求めています。つまり、原告の請求事実を認めず、裁判の場で争い、事実を明らかにしていくというプロセス
写真 ニュース・フォーカスサイクリングで筋力維持 サドルやハンドル位置にも注意(2019/8/17) 暑い夏はまだ続いていますが、涼しくなってきたらサイクリングはいかがでしょうか。普段の通勤路に少し坂道を加えたり、距離を延ばしたり。ちょっ…[続きを読む] 家族の認知症、拒否が招く心身症 心と体の悲鳴に気づく[認知症と生きるには](2019/8/16) 新出生前診断、認定外施設で広がる 不確実なまま中絶も[ニュース・フォーカス](2019/8/16) 叱らないと決めてもつい愚痴が…夜尿症、薬出てほっと[患者を生きる](2019/8/16) 「治せる認知症」の手術 負担少ない手法、じわり広がる[ニュース・フォーカス](2019/8/14) PTSDに苦しんだ元兵士たち 支えた家族が交流会[ニュース・フォーカス](2019/8/17) 福島の被災地、医療・介護の体制は 人材確保に課
対照臨床試験の実施と結果を記した最初の報告書は、スコットランドの海軍外科医ジェームズ・リンドによるもので、彼は海峡艦隊のHMSソールズベリー(英語版)に乗船し、ビスケー湾をパトロールしている間に壊血病の研究を行った。リンドは研究に参加した水兵を6つのグループに分け、さまざまな治療の効果を公平に比較できるようにした。リンドは、レモンやオレンジで治療したグループの中で壊血病の症状や徴候が改善したことを発見した。彼は1753年にこの実験結果を記した論文を発表した[26]。 医学における統計的手法の初期の批評は膀胱結石に関するもので1835年に発表されている[27]。 臨床推論の限界の露呈[編集] 1967年にアルヴァン・ファインスタイン(英語版)が"Clinical Judgment"を出版し、臨床推論の役割に注目し、臨床推論に影響を与えうるバイアスを特定した[28]。1972年にアーチー・コク
ビタミンK問題が話題になっているので、私も書かずにはいられなかった。 ビタミンK欠乏症 新生児は、ビタミンK欠乏になりやすい。ビタミンK欠乏状態になると、出血が止まらないような症状になる。脳内出血が起こった場合等は、死亡したり、重大な障害が残ったりする場合もある。通常、新生児にはK2シロップと呼ばれるビタミン剤を投与することで、ビタミンK欠乏を抑制している。 自然信仰と母乳育児の推進 粉ミルクに比べて母乳の方がよいという話は、医療の現場でも言われていることのようだ。国際機関や政府機関は積極的に母乳育児を勧めている。しかし、ビタミンKの問題については、粉ミルクの方が望ましい。人工的だとしてK2シロップを拒否する行動と、自然だとして母乳育児にこだわる行動が重なると、ビタミンK欠乏症の危険性は増す。 ビタミンK問題 「「ビタミンK与えず乳児死亡」母親が助産師提訴」というニュースが 2010年7月
【ワシントン=勝田敏彦】健康に良い印象がある「オーガニック(有機栽培)」食品を食べる習慣の人は肥満にむしろご注意を――こんな論文を、米ミシガン大の研究チームが米専門誌6月号に発表する。オーガニックは、必ずしも低カロリーを意味しないのにそう思いこんだり、減量のための運動をやめても構わないと考えたりしがちだからという。 研究チームは学生114人に、通常のクッキーと有機栽培の小麦粉や砂糖で製造された「オーガニック版」の両方の栄養成分表示を見せ、カロリーの大きさを7段階で評価させた。すると、両製品のカロリー表示は同じなのにオーガニック版の評価は平均3.94点で、通常製品の5.17点より低かった。 また、減量のため日課として夕食後に5キロほど走る20歳の女子学生を想定、デザートの内容を示して「今晩は走らなくてもいい」かを学生214人に評価させた。オーガニックデザートは、デザートを食べない場合の評
なんとか論文も締め切りに間に合ったので、久々にマクロビ関連エントリなぞ書いてみました。本日は、元祖マクロビ料理教室の桜澤リマ氏に師事したという、マクロビック料理の大家(大禍?)松本光司氏を採り上げます。 松本氏は現在ウェブサイトマクロビオティックと半断食のアルカンシェールを運営中の模様。 旧サイトのコンテンツである『教えてマクロビオティックバックナンバー』より。 Q&Aって分かり易くて便利なものですよね。松本氏の考えがよく分かってホントに便利なものだなぁ、と実感しましたよ。こちらも分かり易く読んで貰うため、対話形式で進めたいと思います。 どらねこ「モニョ子さん、今日も宜しくお願いします」 モニョ子「私、忙しいのですけど・・・」 ※当エントリに於ける引用はリンク先の記事からであり、強調等はどらねこによるものです Q&Aに入る前にマクロビとの出会いを語っておられます。 自然食が体によいというの
今回は牛乳有害論のお話しです。 本家どらねこ日誌でも『牛乳は本当にモー毒か?』で検証をし、牛乳が骨粗鬆症のリスクになるという根拠とは謂えない論拠の不当性を指摘しました。 しかし、身の回りにはいまだ正しい話であると理解してしまっている方がいたり、ネット上でもまだまだ牛乳有害論を見かけます。 牛乳有害論はマクロビ信奉者や、昔ながらの日本食が至高であると考える方々を中心として広まったようです。例を挙げてみましょう。 胃腸は語る−胃相腸相からみた健康・長寿法 新谷弘実:弘文堂(1998) p168 ●牛乳の飲み過ぎが骨粗鬆症をつくる また、年をとってくるとカルシウムが減って骨粗鬆症になるから牛乳を飲みなさい、というは誤りです。牛乳の飲み過ぎこそ骨粗鬆症をつくるのです。というのは、牛乳は飲むと血中のカルシウム濃度がすぐに高くなるから吸収がよいといわれるのだということは先に述べました。実際にはそのあと
<2009/10/16 「2.中級編」に追記しました> 私がマクロビオティックという名前をはじめて聞いたのは3~4年前のこと。雑談の中で知り合いの口からトツゼン出てきました。 「マクロビオティック・・・カイロプラクティックの親戚?」 「ティックしか合うてへんやん」 「じゃあザバダックの親戚?」 「クしか合うてへんやん」 ○○セラピーとか、××ティックとか、新しい「癒し」が雨後の筍のように登場している中、特に興味もなかったのですが、ちょっと調べてみると「陰陽」だの「身土不二」だの、ひと目見ただけで生暖かい気持ちになる、怪しげなキーワードが満載。 思想の偏った、マイナーな健康法のひとつなのだろう、くらいに受け取りました。 ところがところが。 一度認知してみると、生活の中でやたらめったらこのキーワードが目につきます。今まで空気のようにスルーしていただけで、とっくの昔にメジャーになってたみたい。
2009年10月に開催された第59回日本アレルギー学会秋季学術大会において、赤ちゃんの腸内細菌とアレルギー発症との関係について講演した中山二郎・九州大学准教授に聞いた。 生まれる前の胎児の腸内は、ほぼ無菌状態である。ところが、お母さんのおなかを出たときから、さまざまな細菌が入れ替わり立ち替わり口から入り込み、腸内に棲みついていくようになる。この新生児期の腸内細菌の状態「腸内フローラ」が、後のアレルギー発症に関係してくるという。 生後1カ月の乳児のお腹の細菌で差が出た 今回の中山准教授の研究は、厚生労働省免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業(2002~2006年度、主任研究者 白川太郎・元京都大学大学院医学研究科教授)の一環である。86名の乳幼児を対象とし、生後2カ月までの腸内細菌群と2歳までのアレルギー発症状況の追跡調査が行われた。その結果、生後1カ月の乳児の腸内細菌にバクテロイデス属が
本日4月15日(木)、ワコールが45年もの歳月をかけて研究した結果を発表する「ワコール人間科学研究所 最新研究 記者発表会」を行い、女性が若い時の体型を維持するための秘訣を公開しました。 4歳~69歳までの女性、合計4万人ものデータを取るなどして長い時間をかけて行われた研究の結果、さまざまな事実が明らかになりました。女性の体型変化については早送りで見せるスライドなどを交えて発表され、その変化が如実に分かるものとなっていました。 詳細は以下から。(PDF)からだのエイジング(加齢による体型変化)について一定の法則を発見 若い時の体型を維持する秘訣は、食事・運動と「からだの変化に合った下着選び」~日本初!日本人女性の45 年間におよぶ4万人のデータ 集大成~ 東京ミッドタウンホールに到着。 備え付けのスクリーンに最新研究の記者発表会だということが表示されていました。 発表会が始まりました。 真
アメリカでは、移植待ちの患者がこの10年で倍増しているにもかかわらず、手術数はほぼ横ばいとなっているなど、ドナー不足が深刻な問題となっています。 これを解消するため、外部から組織を移植するのではなく、自分の細胞を利用して回復する「再生医学」分野の研究が近年盛んに行われていますが、アメリカの研究チームが火傷などの治療のため皮膚に細胞を印刷し再生させるという、まるでSFのような治療方法を開発、実用化に近づけました。 詳細は以下。 Inkjet-like device 'prints' cells right over burns | Reuters Inkjet Cell Fabricator Prints Healing Flesh Directly Onto Wounds | Popular Science 「バイオプリンティング」と名付けられたこの方式を開発したのは、アメリカ・ノースカロ
CiNii 論文 - ブラジャー着用時と非着用時の運動中の乳房振動特性 乳房の振動特性。大事なことだよ。おっさんだけど、わかるよーわかるよー。 タイトルもすごいけど内容もすごいや(笑)着心地の良いブラジャーの設計や新しい設計システムを構築するためには,複雑に動く乳房の運動機構やブラジャー着用に伴う乳房振動特性の変化を明らかにしておくことが重要である.そこで,本研究では半透明なブラジャーを用いて,運動画像解析システムにより,ブラジャー着用時と非着用時の走行中と歩行中の乳房の動きを計測した.乳房の動きから体幹部の動きを分離し,乳房独自の振動データを抽出した後,離散フーリエ変換によって分析した.その結果,乳房の振動は歩行周期の影響を直接に受け,走行中が歩行中より,垂直方向が水平方向より大きくなった.ブラジャー非着用時の垂直方向の振幅は歩行周波数で最大となり,体幹部の運動の影響を強く受けることが
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